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―翌日。 給食と雑談も終わり、午後一発目の授業は体育だ。 腹ごなしにはちょうど良いかもしれないが、 なんせ7月だ。容赦ない日差しが私を照りつける。 「あぢぃ゙~~。」 いや、暑いだけなら良い。今日に限って近所を周回するマラソンだという。 …何の罰ゲームだ、これは? こんなものは早く終わらせるに限る。 脳内で”気合い”という名のニトロ(ナイトラス・オキサイド(N2O))を 一気に注入する。素敵なスイッチひとつで50~100psアップだ。 …脳内でのみ。 「とりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 風鳴りが増す。 ―瞬間。 いきなり地面がグラついた。 …地震か!?と思ったら違った。 全身すべての力が抜けて行くのが分かる。 魂か何かが引き抜かれるように、私の意識もそこで途切れた。 ・・・・・。 ・・。 ・・。 ・・・・。 ―ゆっくりと、意識が戻ってくるのを感じる。 …言わんこっちゃない。多分熱中症あたりで私は倒れたのだろう。 状況から判断して、たぶん現在位置は保健室のベッドの上とかだろうか。 そよそよと吹く風が私の頬をなでている。 …まだ目を開ける気にはならない。 …口唇を何かで塞がれている様な、感覚。 …続けて、何かやわらかい物が侵入してくる。 …「それ」が私の舌を発見したようで、優しく絡んでくる。 ―心地良い。 …そろそろ起きていいだろうか? ―うっすらと目を開ける。 「……!!!!?」 …目の前にかがみの顔。切なそうな表情をして、 閉じられた目には少し涙も溜めている。 曖昧3cm♪ …どころではない。マイナスがつくよっ!!! 「ん゙~~~゙!!!!」 ―ジタバタと暴れてみようと思っても、できなかった。 …手首ごと、がっちりホールドされている。 ありていに言えば、マウントポジション。 ―この状況下でも、足を使って撃退は可能だが、 さすがの私でも、かがみに使う気にはなれない。 「んぅ…ぷはっ。」 ―と、かがみの方から唇だけ離してくれた。 …どちらの物かも分からない唾液が、ツー、と垂れて、 開け放しの窓から照らす夕日に反射してキラキラ光っている。 「かっ、かが…!」 「ゴメン!!!……なさい。」 ―先に叱っておこうかと思ったが、先を越された。 …だが、謝ってもらっても、許せなかった。 「かがみっ!!!」 …寝てるのを良いことに、私の気持ちなんか完全に無視して、 それで、自分の気持ちだけ良いように押し付けるなんて…。 ―そんなの卑怯だよ!!!! …上記の7文字に、自分の思いをすべて叩き込む。 「…だって。…だって、仕方がないじゃない。」 「…?」 ―何がどう「仕方ない」のだ? 「アンタに…キョヒられたって、"はいそうですか…。"って 簡単に、自分の気持ち、…変えられないんだよ?」 「……。」 「…だから、…だから。…苦しかった。……切なかった。……悲しかった。」 「…気づいたら、…アンタを、…奪ってた。……ゴメン。」 ―かがみの顔は、怒られているときの子供の顔みたいに、 目が泳いで、寂しそうに下を向いている。 …「本当に」悪いことをした。とは思っているらしい。 ―かがみの気持ちが全く分からない訳ではない。 ―恋した分だけ、拒まれたときに発生するであろう、鬱屈な気持ち。 後から膨れ上がるその気持ちを抱えきれずに、晴らす場所を探していた。 ―その場所が、私の口唇だった。という訳だろうか? 「でも、シちゃった時は、すごく…気持ちよかった。」 「なっ…!?」 「どうしようもなく…、心地よかった…。 このまま時が止まったらって、思った。」 ―かがみの顔が、また近づいてくる。 またやるつもりだろうか? ―と、思ったら、首の左側で静止した。 …舌で…触れられる。 「うひゃぁ!?」 ―声に出てしまう。 …構わず、かがみの舌が、耳の辺りまでゆっくりと這い上がってくる。 私の頭のヒューズが何個かトンだ気がする。 ―もう訳が分からない。…さまざまな思考が、 頭の中をぐ~るぐ~るとゆっくり、回転し始める。 …一番の常識人だと思っていたんだけどこんなの絶対違う! あぁぁぁ…かがみが変だ…かがみが変だ…かがみが…… ―耳元でかがみが、ささやくように言う。 「こなたのこと…大好き。」 「こなたと…ずっと…ずっと…一緒にいたい。」 「もう絶対…放してあげない。」 「こなた…。大好きだよぉ…。こなたぁ…。」 ―かがみの放つ一言一言にアタマがクラクラしてるのが分かる。 …あぁ…もう、…どうにでもしてくれていいよぉ…。 …考えるのもメンドクサイよぉ・・・。 ―耳たぶを甘くかまれた後に、強く吸われる。 「ひゃっ!!?」 ―体中に電気が走ったような感覚。 …直後、全身を覆いつくす、脱力感。 …また、かがみの顔が正面に来る。 すでにかがみの目は、とろ~んとしていて、ほっぺたは紅潮している。 ―私も同じ状態なのは百も承知だ。 「キスして、い~い?」 …返事のかわりにコク…とうなずくと、嬉しそうにかがみが唇を塞ぐ。 …もう…抵抗はしない。 …それよりも、この、変なかがみの強烈な”デレモード”って奴を 楽しみたくなってきた。 …これだけひどい事をされてるのに、かがみのことが許せてきた。 …何より、かがみがすごく…かわいく見えてきた。 …とある感情に…気づく。唐突なものではない。 元からソコにあって、いま…ゆっくり…ゆっくり広がっていく感覚。 ―そっか、私もかがみの事が、”好き”だったんだね…。 「ちゅぅぅ…んくぅ…うぁん…んんぅ…。」 「んぅ…ふぁふぁいん。(かがみ。)」 「ん~?」 「ぷはっ…私も…大好きだよ?」 「うんっ!」 「ん~!!!!!??」 ―キスはまだ続く。 fin コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-14 04 34 21) はっ、はなぢが・・・・・・(つ ̄T ̄)ツー -- ぷにゃねこ (2013-01-26 17 39 25) たまらんぐふ -- かがみんラブ (2012-09-24 06 06 16) GJと言わざるを得ない -- 名無しさん (2010-03-31 00 09 19) その辺の18禁同人よりエロくて切ない… -- 七市 (2010-03-30 00 14 18) エロパロスレの作品より官能的だと思った。gj -- 名無しさん (2009-12-05 22 03 35)
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「ゆっくりしていってね!!!」 目の前にゆっくりの一家がいた。 ゆっくり。 人語を解するが知能の低い、生きる饅頭。 その餡子は甘く、非常に美味であることから老若男女に人気のある食べ物だ。 しかし、畑を荒らすこともあり農業を営む者からは疎まれている存在である。 また、家に不法進入をしてきたり、その大きな声による騒音被害もあることから人間の里では害獣に指定されている。 「ゆ?ゆっくりしていってね!!!」 俺が何も返事をしないことを不思議がったのか、同じセリフを繰り返すゆっくり達。 大きいゆっくり霊夢が一匹と、小さなゆっくり霊夢が4匹。 大きいものはバスケットボールほど、小さいものはソフトボールくらいであった。 片親のようだ。 「君達は家族かい?お母さんは大きいれいむだけ?」 「ゆ!みんなれいむのあかちゃんだよ!!すごくゆっくりしたいい子達だよ!」 大きな霊夢、親れいむの話では、交尾した後すぐにもう1匹の親のゆっくり魔理沙は出ていったという。 自身と同じゆっくり魔理沙が生まれなかったためらしい。 なんというやり逃げ。 「れいむたちはゆっくりするよ!おにいさんもゆっくりしていってね!!」 俺が何も食べ物を恵んでやらなかったせいだろうか、興味を失った親れいむは野原でゆっくりし始めた。 俺もゆっくり霊夢なぞに興味はない。 ヘタに関わって付きまとわれたくないので家に帰ろう、と思った矢先、いいことを思いついた。 「なあお前ら、俺の家はここよりもっとゆっくりできるぞ。こないか?」 そして今、俺の家にはゆっくり一家がいる。 「ゆゆ!おにいさん早く食べ物を出してね!こどもたちがお腹すいてるよ!」 「ゆー!おにいさんはやくゆっくちさせてね!!」 「ゆっくち!ゆっくち!!」 当然、ゆっくりさせる気など毛頭ない。 俺は子れいむを2匹ずつペアにして、少し離したところに移動させた。 「ゆ?れいむの子供になにをするの?」 取り残された親れいむが不思議そうな顔をする。 もう用済みだから殺してもいいのだが、特に悪さもしていないゆっくりだったので生かしてあげよう。 それが生き地獄だとしても。 「お母さんれいむはどっちかの子供のほうに移動してね」 「どうしてなの?みんな一緒でゆっくりしたいよ!!」 「ご飯の前にはお風呂に入らないと。一度に5匹は大変だから2回に分けようと思ってね。先に入るほうと後に入るほうでわかれてね」 「ゆ!おふろ!れいむさきにはいりたい!!!」 「ずるい!れいむがさきだよ!!」 「おにいさんれいむたちをさきにして!!」 「そんなわけだから、お母さんれいむ、どっちかに移動してね」 そういうと、親れいむは特に不審に思うこともなく比較的近くだった子れいむの班へと移動した。 これが向こうの子れいむ達との今生のお別れだとも知らずに。 「よーし、じゃあお母さんがいなくても大丈夫なこっちのれいむたちからお風呂だよ!」 親れいむがいないことで少し不満がっていたので、おだててあげる。 単純な頭なのですぐにきゃっきゃと喜び始めた。 軽い体を持ち上げて、俺は奥へと歩きだす。 「わあ!おそらをとんでいるみたい!!!」 「すごくたかいよ!!」 もう生涯見ることのない外の世界を楽しんでいるようだった。 「じゃあここで永遠にゆっくりしていってね」 ここはお風呂場ではなく、台所。 そこに置いてあった鉄の箱に2匹の子れいむを投げ入れた。 「ゆ?おふろは?」 「ここはゆっくちできないよ!」 2匹の子れいむを入れてもあと5匹は入れるくらいスペースが余っていたので、あまり緊迫感がないようだ。 透明な箱ではないので、閉めると中の様子が見えないのだが、今回は好都合だ。 俺は子れいむ達の質問を無視して蓋を閉めた。 中から「ゆっくりあけて!」だの「暗くてゆっくりできない」といったことがかすかに聞こえるくらいだ。 鉄製だけあって、蓋を閉めるとあまり声は届かないみたいだ 俺は居間に戻り、残りの3匹達をさっきの2匹とは別のところに持っていく。 「ゆ?お兄さんここは何?」 「ここはお兄さんの家のお庭だよ」 つれてきたのは中庭。 塀で囲まれており、家の中からじゃないと入ることができない庭だ。 夏まっさかりの今日、中庭は背の高くなった雑草が生い茂りジャングルのようになっている。 「じゃあここで死ぬまでゆっくりしていってね」 ぽーん、と中庭に3匹のゆっくりを投げ込む。 「ゆ!?お兄さんお風呂はどうしたの!?こんなところじゃゆっくりできないよ!!」 「いちゃい!!ゆっくちさせて!!」 「ゆぅうう・・」 着地に失敗した子れいむ2匹が涙目になっていた。 「お風呂はないよ。君達はここで永遠にゆっくりするんだよ」 親れいむが俺に体当たりをしてきたので、全力で蹴り返す。 餡子を撒き散らしながら塀にたたきつけられ、そのまま動かなくなった。 「あら、死んじゃった?まあゆっくりしてけよ」 中庭唯一の入り口を閉じ、俺はその場を後にした。 夕方。 晩御飯の支度を終えた俺の足元には、先ほど子れいむ2匹をつめこんだ鉄の箱がある。 いよいよこれの出番がやってくる。 これは一言で言うなら、ゆっくりコンポストだ。 使用方法はとても簡単。 調理を終えた流し台の三角コーナーには、野菜のいらない部分や割れた卵などが入っている。 これを箱の中にいる子れいむ達に食べて処分してもらおうというものだ。 蓋を開けるとノンキに眠っている子れいむ達がいた。 「れいむ、ご飯を用意したよー!」 ご飯、その単語にピクリと反応し、すぐに目を覚ます子れいむ。 「ゆ!おにいさんはやくここからだしてね!ごはんもだしてね!!」 「おかあさんはどこなの!?はやくあわせてね!!」 お怒りのようだ。 しかし俺はこんなコンポスト達の相手をしているほどヒマではない。 子れいむに振り掛けるように生ゴミを入れた。 「それが君達のご飯だよ。これからずっとだよ。ちゃんと処分してね」 生ゴミにびっくりして何も喋らなかったのでそのまま蓋を閉めた。 ゆーとかやーとか騒いでいるが、さすが鉄製の箱だけあって3メートルも離れたら何も聞こえなくなった。 次の日、朝ごはんの用意で出た生ゴミを捨てようと蓋を開けると、昨日のままの生ゴミがそこにあった。 「ゆ!おにいさんれいむたちこんなのたべられないよ!!はやくだしt」 言い終わらないうちに生ゴミを捨て、蓋を閉める。 働かないコンポストの相手なんてしないものだ。 中庭に回ると、入り口の目の前で3匹が眠っていた。 親れいむは顔がぐちゃぐちゃに歪み、皮はずたぼろ、ところどころ餡子が飛び出しているが生きてはいるようだ。 こいつらは放っておけば勝手に働くだろうから、俺は放置して外に遊びに出かけた。 帰宅する頃にはもう夕方になっていた。 急いで夕飯の用意をし、生ゴミを捨てるためにコンポストの蓋を開ける。 すると、そこには子れいむ2匹の姿以外、特に何も無かった。 昨日と今朝の生ゴミは綺麗サッパリ消えていた。 さすがに育ち盛りの子れいむ達は、食欲に勝てなかったのだろう。 それに生ゴミと言っても、調理後すぐのものであったから腐ってはいなかったはずだ。 「よお、結局食べたんだな。おかわりを用意してやったぞ」 また振り返るように生ゴミをぶちまけ、四の五の言う前に蓋を閉めた。 ちらっと見た感じ、2匹はぼろぼろと泣いていた様子だった。 いきなり閉じ込められてゴミを食べさせられるのだから、その心境は分からないでもない。 どこからか、家に体当たりをするような音が一晩中聞こえていたが、俺はぐっすりと眠ることができた。 「おはよう。ゆっくりしているかい」 朝一番に中庭を訪れると、小さいながらもぷくっと膨れて威嚇する2匹の子れいむと、汚らしい皮の親れいむが待っていた。 「ゆ!おにいさんはやくここからだしてね!!れいむおなかすいたよ!!」 「おにいさんはゆっくりできないひとだよ!!ゆっくりしね!!」 「ぼべべびゅびゅっぼぼぼ!!!」 餡子を撒き散らしながら話す親れいむの言葉は理解できなかったが、とりあえず怒っているということだけは分かった。 子れいむを手にとると、若干痩せた感じがした。 「みんなはもう草刈りの道具だよ。早く草を食べてね!ご飯はそれだけだよ!」 こちらの班は、草刈りを目的としている。 草まみれの庭に放てば、食うものがなくなったゆっくり達は草を食べてくれるだろう。 育ち盛りの子れいむ2匹と、大きな親れいむがいれば、すぐに庭は綺麗になるはずだ。 「やだよ!!れいむ、にがいくさはきらいだよ!!」 「れいむもやだよ!はやくおいしいごはんをよういしてね!!!」 「ぶびっ!!!」 餡子が飛ぶ。汚いなあ。 「草を食べたくなかったら食べなくてもいいよ。お腹すいて死んじゃうだろうけどね」 その前に親れいむは出餡子多量で死にそうだが。 その後もゆーゆー文句を垂れる子れいむ達を置き去りにし、俺は扉を閉じた。 それから、3週間が経った。 ゆっくりコンポストはきちんと働いていた。 開始1週間ほどしたときに、子れいむ達がボイコットをしたこともあった。 生ゴミ以外の食べ物をくれ、くれるまで生ゴミの処理はしない、と。 俺は気にせず毎食ごとに生ゴミを投げ入れた。 2日もすると夏の暑さで溜まった生ゴミは腐臭を出し始め、どこに鼻があるのかもわからないのに子ゆっくりは悪臭に涙していた。 くさいくさいと涙ながらに許しを請う子れいむ達に、俺は一言、早く処分しろとだけ告げて蓋を閉じた。 次に蓋を開いたときには生ゴミは全て消えていた。 真っ青な顔をした子れいむ達を見れば、腐った生ゴミの処分がいかに大変かがよく分かった。 それ以来、腐らせることを極端に恐れ、生ゴミを入れるとすぐに食べるようになってくれた。 今、3週間前にうっかり捨てるのを忘れていたお弁当を、子れいむ達が必死で処分してくれている。 たまに嘔吐し、戻すこともある。 しかし、結局自分で処理しなければならないのだから一度で済ませばいいのに、と俺は思う。 これからも生ゴミの処理をよろしくね、そういい残し、俺は蓋を閉じた。 中から泣き声が聞こえたのは多分、気のせいだろう。 中庭も綺麗になった。 それこそ、最初の頃はニガイだの不味いだの文句たらたらだったが、いつしか諦めて黙々と食べるようになった。 そもそも野生のゆっくりは草や虫が主食なのだ。 何も問題はない。 それにコンポスト組に比べれば広い庭もあるし、子れいむにとっては親れいむもいるのだから幸せだろう。 それに家族だって増えている。 3匹では草が思うように減らないと感じ、おれはゆっくりアリスを加工所からレンタルし、強制的に交尾をさせ続けた。 そしてあっという間に3匹だった草刈り組は30匹へと増員された。 最近は近所で草刈りのアルバイトを始めた。 縄でつなぎ、リボンを人質にとって連日不味い草を食べさせている。 赤ちゃんゆっくりがわがままを言って草を食べない時は、見せしめに親や姉妹の前で皮を引き裂いた。 飛び散った餡子を食べさせると共食いを覚えてしまいそうだったので、一切食べさせることはしなかったが。 今日の出勤場所は、3丁目の田中さんの家だ。 リボンのない30匹のゆっくり霊夢を縄で繋ぐと、俺は家を後にした。 作:アルコールランプ このSSに感想を付ける
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ここに文字を入力注意書き: 某4コママンガを参考にしています。詳細は文末に示します。 秋も深まり、山々はすっかり紅葉で覆われ、少し肌寒い風が吹き抜けていく。 そんな日々、市場で買い物を終え自宅へ向かう途中のこと、 獣道を歩く僕の前に一匹のゆっくりれいむが立ちはだかった。 高さ40cm余り、横幅は60cmにもなるかなり成長した個体のようだ。 この獣道、普段は殆ど人が通らない場所で、言ってみれば秘密の近道ってとこかな。 「ゆゆ!おにいさん?こっからさきはれいむのおうちだよ! とおるにはゆっくりつうこうりょうをはらっていってね!!!」 「通行料?具体的には何が欲しいのかな?」 「ゆ、ゆーん… れ、れいむにおいしいおはなさんをおいていってね!!!」 「なんだ…花か。ほれよ。」 「ゆゆゆ?むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 相手するのも面倒だったので、僕は買い物袋の中からハーブをれいむに差し出すと、 足早に先へ進もうとした。なぜか右足が重い。 「そ、そこからさきにはゆっくりすすまないでね!!! こ、これだけじゃつうこうりょうがたりないよ!ゆっくりはらっていってね!!!」 なんと右足にれいむがしがみついて来たのだ。 ゆっくりにしては珍しい行動だったので再び問いかける。 「今度は何が欲しいと言うのかね?」 「ゆ!? ゆーん… ゆっくりあまあまのおさとうをちょうだいね!!!」 「なんだ…砂糖か。ほれよ。」 「ゆぐっ…! むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「じゃあ僕は先に進むからね。」 僕は買い物袋から角砂糖とカリン糖を十数個差し出し、この場を後にしようとした。 再び右足に荷重がかかる。 「そ、そこからさきにはゆっくりすすまないでね!!! ま、まだつうこうりょうがたりないよ!!!ゆっくりはらっていってね!!!」 いくらゆっくりとは言え欲張りな行動である。 「今度は一体何が欲しいと言うのかな?」 「ゆゆ!? ゆーんゆーん… れいむにゆっくりはちみつさんをちょうだいね!!! もしはちみつさんがないのならゆっくりひきかえしてね!!!」 「蜂蜜か…。ほれよ。」 「ゆゆゆ!?どおじておにいさんはちみつさんなんかもってるの!!!」 「れいむがくれっていったんだろ?」 「ゆぐっ…! むーじゃ、むーじゃ、じあわぜー!」 「今度こそ僕は先に進むからね。」 再び重くなる左足。何か他に理由があると言うのか…? 「ぞ、ぞごがらざぎにはゆっぐじずずまないでね!!! ま゙、まだまだづうごおりょおがたりないよ!!!ゆっぐじはらっでいっでね!!!」 「欲張りなれいむだね。今度は何が欲しいのかい?」 「ゆがっ・・!?ゆう・・・ゆーん・・・ れ、れいむにゆっくりあまあまなくりーむをちょうだいね!!! もしもっていないのならゆっくりひきかえしてね!!!」 「クリームか…。ほれよ。」 僕は買い物袋の中からコンデンスミルクを取り出すと、れいむの口に注ぎ込んでやった。 甘ければいい。細かいことはわからないだろう。 「ゆがっ!?どぼじでおに゙いざんぐぢーむなんがも゙っでるの!!!」 「れいむがちょうだいっていったんだろ?」 「ゆががっ…! むーじゃ、むーじゃ、じあ゙わ゙ぜーー!!!」 とは言いつつも両目からぼろぼろと大粒の涙をこぼしている。 気にせず先に進もうとすると 「だ、だべなんだがらね!!!ごのざぎにはゆっぐじずずまないでね!!! ゆっぐじひぎがえじでいっでね!!!」 またしても右足にしがみつくれいむ。食べ物が目的じゃないとすると、 この先には相当大事なものでもあるというのか? 「こっち行かないとお兄さんは帰れないんだけどなぁ?」 「ざ、ざぎにずずむならゆっぐじでいぶにづうごおりょおをはらっでいっでね!!!」 「でいぶのお遊びに付き合ってる暇なんか無いんだけどなぁ…。ゆっくりどいていってね!!!」 「ゆがっ!? でいぶにゆっぐじおでんじじゅーずをぢょおだいね!!! ないならゆっぐじひぎがえじでいっでね!!!」 「お兄さんのおうちにはオレンジジュースがたくさんあるよ? 通してくれたらでいぶに分けてあげてもいいけど?」 「や、やっぱりだべだよ!!!ゆっぐじひぎがえじでね!!!ゆっぐじひぎがえじでね!!! ごごがらはでいぶのおうぢだよ!!!ゆっぐじごっぢごな゙いでね!!!」 もう「でいぶ」に構うのも飽きたので、無視して歩みを進める。 すると前方の草むらの中、木の根元の穴から伸びるオレンジ色の塊が姿を現した。 ゆっくりの卵である。 握り拳よりやや小さいゼリー状の塊が蛇のように連なり、見えているだけでも数百は下らない。 恐らくは巣の中で卵を産みつけていたが収まりきらず、外まではみ出したってところだ。 一つ一つの形状は縦に長く昆虫の卵のようでもあり、長く長く連なる様子は蛙のそれを彷彿とさせる。 よく見ると内部に非常に小さいながらもゆっくりらしき姿が見て取れた。 「ははぁー…こういう訳だったのかぁ。」 「やべでね!ゆっぐじやべでね!!!でいぶのかわいいごどもにでをだざないでね!!!」 「ふーん…」 それだけ言うと僕は、卵の群れの一角に塩を振りかけ始めた。 浸透圧により見る見るうちに卵がしぼんでゆく。 「やべでえええええ!!!でいぶのおぢびぢゃんになにずるのおおおおおお!!! ゆっぐじやべでいっでね!!!ゆっぐじやべでえええええええ!!!」 れいむは卵の前に立ちはだかり、塩をこれ以上子供たちに浴びせまいと大きく口を広げた。 「ゆっぎゃあああ!!!でいぶのおめめがっ!いだいよ゙おおおおおおおおお!!! でいぶのおぐぢがぁああああああああ!!!ゆっぐじやべでえええええ!!!」 目や口などの粘膜に塩がかかるたび、れいむは悲痛な叫びを上げた。 体が大きめなだけあってその叫びも一段と大きい。余計に敵を呼び寄せてもおかしくはない。 「ほーら、今度はこっちだ。おいしいお塩をあげるからねー♪」 オレンジ色のゼリーは塩と触れると直ちに縮み始め、こげ茶色の塊へと変貌していく。 「やべで、やべでよおおおおおお!!! でいぶのおぢびちゃんはおじおなんでいだないぼおおおおおお!!!」 れいむは満身創痍ながら卵の前で塩を受けとめようと必死にかけずり回る。 「でいぶのおぐぢが、おぐぢがゆっぐじでぎないよ゙おおぉぉおおおおおお!!! おにいざんはゆっぐじやべでね、ゆっぐじやべでいっでね!!!」 両目から滝のように涙を流しているが、それでも諦めようとはしなかった。 ふと視界に蜂蜜色の物体が飛び込んだ。 近寄ってみると息を荒げるゆっくりありすであった。面白いことを思いついたぞ…! 「ゆふー、ゆふー、れいむのこえがきこえるわ!!!どこなのお? ありずがずっぎりざぜであげるよおおおおおおおお!!!」 「やぁやぁとかいはのありすちゃん。」 「ゆゆ?とかいはのありすはいまいそがしーのよぉ?おにいさんはてみじかによーをすませなさいよ?」 「そのれいむのとこにつれてってあげようとおもってさ。」 「ゆほっ!?べ、べつにありすはれいむのことなんてどおでもいいのよ? でもおにいさんがつれてってくれるっていうならのってあげてもいいわよ?」 ありすは顔を赤らめ涎を垂らしながら答える。その顔、本心がわかりやすく見て取れる。 僕ももちろんそのつもりだ。 ありすを抱きかかえ足早にれいむの元へと向かう。 「ゆっほおおおおおお!?れいむのかわいいたまごがたくさんあるわ!!! みてるだけですっきりしちゃうわあああああ!!!すっきりー♪」 ありすから放たれた乳白色の粘液に卵の一角が覆われていく。 「やべでええええ!!!すきなひとじゃないとあかちゃんのもとかけちゃだべえええええ!!!」 「ありすのためにこんなにたくさんよういしてくれたのね!!! れいむってつんでれねえええええ!!!」 「だべえええええ!!!れいむのだいすきなまりさじゃないとだべええええ!!! ゆっぐじやべでいっでね!ゆっぐじやべでええええええ!!!」 「そのまりさってのは、こいつの事かな?」 「ゆがっ!?ま゙、ま゙、ま゙り゙ざぁあああああぁああああ!!!」 数十分前のことだ。市場を後にし藪森へ歩みを進めようとした頃―― 「こっからはまりさのてりとりーなんだぜ!!!おにいさんはゆっくりあっちへいけだぜ!!!」 「ここをとおらないとお兄さんおうちに帰れないんだけどなあ?」 目の前にこれまた60cmもあろうかという大きなゆっくりまりさが立ちはだかった。 無視して先へ進もうとすると… どかっ! 尻に鈍い痛みが走る。まりさの体当たりだ。 重さも相当なため思わずよろけてしまう。 「まりさのたいあたりなのぜ!これにこりたらゆっくりむこうへいけなのぜ!!!」 まりさは僕の前に回り込んで自慢げに語りだす。 「ほぉおお? 向こうへ行かなかったらどうするのかなぁ?」 「ゆがっ!?と、とにかくこっからはすすませないだぜええええええ!」 まりさが再び体当たりを仕掛けてくる。 一歩横によけてみる。ゆっくりにしては速いがかすりもしない。 案の定まりさの勢いは止まらず向こう側の木に突進し、盛大に全身を打ち付ける。 「ゆがっ…!ゆ・・・ゆぐぅ・・・」 「おーい?いきてるかー?」 まりさは白目を向き天を仰いでいる。もっとも枝葉に覆われ空を拝むことはできないのだが。 「あーあ、見事に伸びちまったなぁ。しゃーない、持って帰ってやるとするか。」 僕は背負っていた篭にまりさを放り込み、その場を後にした。 「ゆ…ゆーん・・・ ゆゆっ!?ここはどこなのぜ?」 「ま、まりさ!?きがついたのね!!! みてみて!!!れいむね、いっぱいおちびちゃんうんだんだよおおおお!!!」 「れ、れいむううううう!!!よくがんばっただぜえええ!!!」 「でもこのありすとそのおにいさんがゆっくりできないんだよ!!!」 「ゆゆゆ!?ゆっくりできないおにいさんとありすはゆるさないのぜええええ!!!」 まりさは近くにいたありすに体当たりを仕掛ける。 発情ありすとはいえ体格差は歴然であり、放物線を描き地面に叩きつけられる。 「ああああっ!? まりさってとんだえすえむぷれいなんだからぁああああ!?」 程なくして気を失った。 「さっきはよくも、よくもおおおおおお!!! でいぶまでいじべで、ま゙り゙ざぼおゆるざな゙いのぜええええ!ゆっぐじじねええええぇぇええええ!!!」 再びまりさが僕に突進を仕掛ける。僕は手近にあった太い枝を拾い上げると、 一歩左に下がり野球の打者の要領で勢いよく振りぬいた。 「ゆべっ!? ゆびぶべぼばびぶべぼゆびゃぁああぁああああああああああぁぁぁぁ!!?」 真っ二つに裂かれたまりさは壮大な断末魔を上げると、物言わぬ餡子の塊と化した。 「ど、ど…、どぼじでごんな゙ごどずる゙の゙おおぉぉおおおおお!!?」 「いや…、どぼじでって言われてもなぁ…。れいむ達から仕掛けてきたんだろ?僕はそれに応じただけさ。」 「でいぶのおぢびぢゃんがえじでええええええ!!!ばでぃざをがえじでよおおおおおおぉおおおお!!!」 「卵ならまだ全滅しちゃいないだろーよ。」 「すきなひどにあがぢゃんのもどかげでもらわないとうま゙でないよ゙おおおぉおおぉおお!!! ゆっぐじがえじで、ばでぃざをがえじで、でいぶのあがぢゃん、がえじでよぉおおおおぉおおおおお!!!」 「んなこと言われてもなぁ…。」 「ど、どぼじで…、どぼじでな゙の゙ぉぉおおおおぉおおお!!! ばでぃざ・・・、あがぢゃん・・・、がえじで、がえじで… がえじでぇぇええええぇぇ・・・」 その大きな饅頭は、大粒の涙をぼろぼろとこぼし、悲痛と怒りの余り泣き叫んでいた。 溢れる涙は「彼女」の足元に水溜りを作り始めていた。 僕はただ家に帰りたかったがためにやっただけ。 道を邪魔をした挙句そんな剣幕で問い詰められても困るのだ。 絶望に打ちひしがれる「でいぶ」を目の前にして、僕はどうしていいかわからなかった。 「んほっ!?なみだによだれにぐっちょぐちょのれいむもかあいいのよぉおおおおお!!!」 「ゆがっ!?ゆっぐじごっぢにこないでね!ゆっぐじやべでね!!!」 途方に暮れているうちにありすが気を取り戻した。すぐさまれいむに一直線。何という見上げた根性・・・。 塩攻めにされ、愛するまりさを失ったショックを受け、泣き疲れたれいむにもはや策は残されていなかった。 ありすの為すがままになるしかない。 「んっほおおぉおおおぉおおお!ぐっちょぐちょのれいむぎもぢいよおおおおおお!!! あらてのろおしょんなのねえええええええ!!!すっきりー♪」 「やべでぇええええぇええ!ずっぎじー!」 「めをそむけなくていいのよおおおおおおお!!!れいむったらつんでれね!!! すっきりー♪」 「ゆっぐじやべで、ゆっぐじやべでね!!!ずっぎじー!」 「れいむのろおしょん、れいむのろおしょんあまじょっぱくておいしいいいいいいいいいい!!! もっとちょおだい、もっとちょおだいねええええええええええ!!!」 「でいぶおいじぐないぼおおおおおお!!!」 「ひていしなくていいのよ?れいむったらつんでれなんだからああああ!!!すっきりー♪」 「やだぼおおお、やだぼおおおおおおおお!!!すっぎじー!」 「もっと、もっとありすにあいをちょおだいねええええええ!!!」 「ゆっぐじやべでね!ゆっぐじ・・・ゆ・・・ゆっぐ・・・」 この状況を打破してくれたありすには感謝しなければならないのかも知れない。 そんな僕の内を余所に、ありすの勢いは止まることを知らなかった。 「れいむ?ねちゃったのぉおお?とかいはのありすのてくがきもちよすぎたのねええええ! うぶなれいむもかぁいいよぉおおおおおおお!!!」 れいむは気絶か、腹上死でもしたのか、とにかく動かなくなった。 いずれにせよその額からは緑色の突起が数多く現れ始めており、運命は決まったも同然である。 「あら…?たまごがたくさんあるじゃなあああい! ありすのためによおいしておいてくれたのねええええ!!!すっきりー♪ みてるだけですっきりしちゃったわ!!!すっきりー♪ れいむっておませさんなんだからああああああああ!!!すっきりー♪ ゆっほおおおおぉおおおおおおおお……」 この後どうなるかは想像に容易い。 夥しい数の卵を貪るうちにありすは干からび、万が一孵化できたとしても誰が育てると言うのだろうか。 冬が近いこの季節、子供たちだけで生き抜くには絶望的である。 オレンジ色の卵達が徐々に乳白色に染まっていくのを見届けていた僕は、 追われる様にして我が家への道を急いだ---- 終われ その後...塩がかからずにありすの精子餡を受けたたまごたちは、「ゆっくりしていってね!」という声で生まれてきたが、そこには朽ち果てたありすとれいむがいたこの子達がこの後どうなるかは一目瞭然だろう。加工所にみつかり研究され尽くされるか、餓死するか、死ぬのも生ぬるい地獄を虐待鬼威山に見せられるかだろう愛でおにいさんに見つかろうとも、 親のいないゆん生を歩むには難しいだろう ほんとに終わり Ref. 1) 東方アクロバティカより ttp //flat-racing.sakura.ne.jp/oretoumi/hp/touhou44.jpg あとがき 昆虫型と名付けたのは、蛙のように外側が粘膜で覆われていないためです。 交尾してなくても卵生むの? 充分に成長し時期が来たら大量の卵を産みます。 それでいて本体は交尾するとにんっしんしてしまうという破天荒な設定です。 by まりさつむりの人 他に書いたもの ゆっくりいじめ系800-802 まりさつむりの記憶 ゆっくりいじめ系854 ゆっくりバイブレーション1 アリス×ゆっくり系16 アリスのゆっくり水爆弾 白玉楼×ゆっくり系5 みょんとの出会い ゆっくりいじめ系932 愛しのありす ゆっくりいじめ系1024 嘘つき少女の悲劇 このSSに感想を付ける
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アリスが外出から戻ってくると、なにやら家が騒がしかった。 「ゆっくりしていってね!!」 「おねえさんはゆっくりできるひと?」 「ここはれいむたちのおうちだからゆっくりでていってね!」 そこにいたのは1体のゆっくり魔理沙と数体のゆっくり霊夢であった。 どうやらドアの隙間から入ってきてしまったらしい。 部屋を見回してみると、大きく荒らされていた。 「――上海、蓬莱。こいつらを全部捕まえなさい」 その直後、人形たちがゆっくりたちに襲い掛かった。 「なにするの! ゆっくりやめてね!」 「シャンハーイ」 「ゆっくりはなしてね!」 「ホラーイ」 「ゆっ、ゆっー!」 次々と捕まり、非難の声を上げるゆっくりたち。 程なくして全てのゆっくりたちは檻の中へと捕まった。 「さて、どうしようかしら」 アリスはまるで感情のこもっていない目で檻の中を見つめた。 すぐにでも全員潰すことさえ厭わない目だ。 そうしていたら、1体の黒い帽子をかぶったゆっくりが訴えた。 「まりさはわるくないよっ! はいろうっていったのはれいむたちだよ!」 「「「「「ゆ゛っ!?」」」」」 「だからはやくゆっくりだしてね!」 ゆっくり魔理沙は、生き残るために簡単に仲間を売る。 話には聞いていたアリスだが、あまりの変り身の早さに少々驚いた。 「そう。だったらあなたは、助けてあげようかしら」 そう言ってアリスはゆっくり魔理沙を檻から出してあげた。 嬉しさのあまり、飛び跳ねるゆっくり魔理沙。 「おねえさん、ありがとう!」 そう言うが否や、ゆっくり魔理沙は素早く開いているドアから出て行った。 ゆっくり霊夢たちに、 「ゆっくりしんでね!」 と、言い残して。 翌日、ゆっくり魔理沙は昨日の事をすっかり忘れてゆっくりしようとしていた。 遠くに見えるのはゆっくり霊夢の家族。 「ゆっくりしていってね!」 今日もたくさん遊んでゆっくりしよう。 そう考えながら近づいていくゆっくり魔理沙。 だが、ゆっくり霊夢たちはゆっくり魔理沙の姿をちょっとの間見つめると、全員で体当たりを仕掛けてきた。 「ゆっ、いたいよゆっくりやめてね?」 最初はふざけているのかと思った。 しかし、一向にみんなやめる気配が無い。 それどころか、徐々に激しくぶつかられているようだった。 「ゆっ、ゅゅっ、どうしてそんなことするの?」 そう言うとゆっくり霊夢たちは口々にこう答えた。 「なかまをみすてるまりさとはゆっくりできないよ!!」 「うらぎりものはともだちなんかじゃないよ!!」 「ゆっくりあっちいってね!!」 「ゆっくりちね!」 「まりさはそんなことしないよ! まりさはいいこだよ!!」 「うそをつくまりさはわるいこだよ!」 「ゆっくりできないよ!」 「ほうっておいてわたしたちだけでゆっくりしようね!!」 罵って去っていく家族たち。 ゆっくり魔理沙はその場に立ち尽くしていた。 追いかければ本当に酷い目にあうことが分かったからだ。 しかし、なぜそんなひどいことを言われたのかは分からなかった。 仕方なく巣にもどってみると、巣の中は荒らされていた。 そこにいたのはたくさんのゆっくり魔理沙。 「ここはまりさのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」 「「「ちがうよ! ここはまりさのおうちだよ! そっちこそでていってね!」」」 追い出されないように抵抗したが、多勢に無勢。 果敢に体当たりを仕掛けるが、逆に大量のゆっくり魔理沙につぶされそうになってしまう。 とうとう巣から叩き出されてしまった。 「どぉ゛じでごんなごどずるの゛ぉぉぉぉぉぉ」 「「「ゆっくりのたれじんでね!!」」」 叩き出されたゆっくり魔理沙は、どこか遠くへ行くことにした。 きっとそこならゆっくりできると信じて。 しかしどこへ行っても、 「うらぎりもののまりさがいるんだって」 「おお、こわいこわい」 「ゆっくりしね、わかるよー」 「でていけちーんぽ」 「うーうー」 追い立てられてしまった。 「ゆっぐり゛でぎな゛いよぉお゛ぉぉぉぉぉぉ」 1週間後。 ゆっくり魔理沙はもうずっとゆっくりできていない。 身も心もボロボロになりながら、今日も食料を求めてよろよろと進んでいた。 そのとき後ろから、 「ゆっくりとばされてね!!!」 完全な不意打ちで勢いよく吹っ飛ぶゆっくり魔理沙。 力なくその方向を見てみると、ゆっくり霊夢たちがいた。 その姿を見てゆっくり魔理沙は思い出した。 そして無事なのを見て、 「みんなぶじだったんだね! よかったゆっくりしようね!!」 嬉しそうに駆け寄った。 自分が見捨てた相手だということさえも忘れて。 だから、言われた言葉に本当に驚いた。 「わたしたちをうらぎったまりさなんていなくなっちゃえ!」 「ゆっくりここからでていってね!!」 「もうみんなにつたえたから、どこでもゆっくりできないよ!!」 「もうずっとゆっくりできないよ!!」 「ゆっくりでていけ!!」 何を言っているのか良く分からなかったが、分かったことが1つだけあった。 自分がゆっくりできないのは、全てこのゆっくり霊夢たちのせいなのだと。 「ゆ、ゆ…こんなひどいことをするそっちこそでていってね!」 「「「「「ゆっくりしね!!」」」」」 口だけは一人前であったが、この数とこの状態で勝てるはずも無い。 全員に囲まれて、あっさりと袋叩きにされてしまった。 「ゆっ、やめでえ゛え゛ぇぇゆっぐり゛ざぜでえ゛ええぇ」 「「「「「ゆっくりしね、ゆっくりしね、ゆっくりしね、ゆっくりしね!」」」」」 「い゛だい゛い゛だい゛よ゛ぉぉぉお゛ぉ」 ひとしきり痛めつけた後、恨み言を言って去っていくゆっくり霊夢たち。 幸か不幸か、ゆっくり魔理沙は生きていた。 もっとも、生きているのか死んでいるのか分からないくらいであったが。 ゆっくり…したい。 そして気を失いかけていたゆっくり魔理沙の前に、1つの大きな影が見えた。 「どうしたの、そんなにボロボロで」 ゆっくり魔理沙はその影を見上げた。 そこには、あの時自分たちをつかまえて自分を逃がしてくれた者の姿が見えた。 「とりあえず、うちに来てゆっくりしない?」 「ゆ゛…ゆ゛っぐりじだい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」 「何があったのかは知らないけど、そんなに泣かないの。さ、行きましょ」 「ゆ゛っく゛り゛ぃ゛ぃぃぃぃ」 もう2度とできないと思っていたゆっくりをさせてくれる。 ゆっくり魔理沙は力いっぱいアリスに泣きついた。 (ふふ、こんなに上手くいくとは思わなかったわ) アリスは胸の中で微笑んだ。 全ては1週間前からアリスが仕組んだことだった。 わざとドアに隙間を残しておき、入ってきたゆっくり魔理沙とゆっくり霊夢を捕まえる。 ゆっくり魔理沙が仲間を裏切ったらスタートだ。 「いや゛ぁ゛ぁぁぁぁだずげでぇぇぇ」 「わ゛だじだじもゆっぐりざぜでぇぇぇ」 ゆっくり魔理沙を逃がした後の檻の中は、パニック状態だった。 アリスは優しい顔をしてこう答える。 「大丈夫よ、あなたたちも逃がしてあげるわ。でも、1つお願いがあるの」 「ゆっ…? ゆっくりなんでもするよ! だからたすけて!」 「そう、じゃあ――」 アリスのお願いはこうだ。 ここから出た後に、今逃げていったゆっくり魔理沙がひどいヤツだということを他の全てのゆっくりに伝えてほしいと。 そして、追い出してほしいと。 最初は戸惑ったゆっくり霊夢たちだったが、 「あなたたちを売って逃げちゃったのよねぇ、酷いと思わない?」 「あなたたちは何も悪くないのにね」 「そんな悪い子に仕返しをしてやりたいと思わない?」 というと、反対する者はいなくなった。 アリスはゆっくり魔理沙を自分のものにしたかった。 それも無理やりでなく、相手から自分の方を向くように。 力で押さえつけても心から懐きはしない。 エサを与えたところでエサ役として認識されるだけ。 だからアリスはこの方法を取った。 他のゆっくりたちから追い出させ、自分だけを頼りにするように。 事実、ゆっくり魔理沙にはもう心のよりどころがどこにもなかった。 そんな中で現れた、ゆっくりさせてくれるアリスはまさに希望だった。 これから、外に出ようともせず自分だけを見ていてくれるだろう。 (色々揃えておいたのよ、この日の為に…) これからこのゆっくり魔理沙とどんな生活を送ろう。 アリスの心はどこまでも躍って仕方がなかった。
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(隠し選択肢) →白い羽根……? こなた「男……っ!」 男「こなた……」 こなた「私も、すぐにいくからね」 男「あぁ。……しまったな。天国はあるのか、かなたに聞いておけばよかった」 (……) 男「というかお前、ちゃんと付いて来いよな」 こなた「うむー」 男「本当だろうなー?」 こなた「ひどいな! 愛の究極は死だって、偉い人も言ってたもん!」 (……) こなた「じゃあ……」 男「ん」 こなた「いくよ?」 男「……」 こなた「好きだよ、男……」 こなたの腕が引かれる―― 男「あ……」 その寸前、俺達の間に一枚の白い羽根が舞い落ちてきた。 こなた「……」 真っ白な羽根はこなたの手を止め、俺達の視線を釘付けにする。 そしてゆっくり足元に落ちていくと、地面に広がる白に混じって消えていった。 男「なん――」 なんだったんだ? そう言おうとしたはずが、途中で止まる。 白い空がきらきら輝いていることに気付いたからだ。 男「……」 それは無数の白い羽根が舞い落ちる光景だった。 沢山の羽根が舞っていた。 雪のようにひらひらと。 こなた「……何かなぁ、これ」 桜のようにはらはらと。 男「さぁな」 羽根は降り続く。 こなた「……」 どれほどその光景に見入られていただろうか。 やがてこなたは脱力し、鉈を降ろした。 彼女の目には、涙が光っている。 男「……どうした?」 こなた「なにが?」 男「なにがって……泣いてるじゃねーか」 こなた「お? 本当だ!」 男「ま、まさか気付いてなかったのか?」 こなた「わ、わかんない。なんか急に……あれ? えぐっ……あれれ……ぐすっ」 男「……」 こなた「止まらないよー……うぅっ……」 男「こなた……」 そこに一陣の風が吹いた。 羽根達は舞い上がり、俺は目を開けていられず、まぶたを閉じた。 男「……!」 ふわり、と目の前に何かが降り立った気がした。 こなた「あ……」 風が収まり、俺は閉ざしていた目を開く。 かなた「……」 目の前にいたのは、俺のよく知る幽霊だった。 かなたはこなたを抱き締めたまま、呟いた。 かなた「ごめんね、こなた」 こなた「え……」 かなた「ずっと一緒にいたのに、気付いてあげられなくてごめんね」 こなた「……」 かなた「一人で大変だったよね」 こなた「……」 かなた「でも、駄目よ? 好きな人をその手にかけるなんて」 こなた「あ……あ……」 かなた「まだやれることあるはずでしょ?」 こなた「あぁ……!」 かなた「少ないけど、時間は残ってるもの。考えようよ、ね?」 こなた「おか……」 かなた「んー?」 こなた「お母さぁぁぁんっ!」 こなたの手に握られていた鉈が落ちて、こぼれた涙と同じように消えた。 こなた「ひぐっ……ううっ……」 こなたは母親の腕の中で泣き続けた。 こなた「ううー! うー!」 色んな感情が爆発したんだと思う。 時々尻尾を揺らすこなたは、まるでただの子供みたいだった。 そんなこなたの頭を撫でながら、かなたが振り返らずに言った。 かなた「男くん」 男「ん?」 かなた「話は全部……とまではいかないまでも、ほぼ聞きました」 男「……そっか」 かなた「まつたく。男くんまで簡単に諦めるなんて思いませんでした」 男「いや、諦めも何も俺達がいなくならなきゃこのループは終わらないだろ?」 かなた「どうしてですか?」 男「それは男達はこの世界にいないはずの……」 かなた「でも生きてるじゃないですか」 男「む……」 かなた「それなら、男くんにだって生きる権利はあります」 男「……」 かなた「誰にでもあるんです。生きてる人には、生きる権利が」 男「……」 かなた「そして生きてる人だけが、未来をつくる力を持ってるんです」 男「……」 かなた「……だから、この世界から消えるなんて言わないで下さい」 男「……」 かなた「願いで出来た世界に悲しい結末しかないなんて、私は嫌なんです」 男「……」 かなた「男くんが、変えてみて下さい」 男「……生きてるから?」 かなた「はいっ」 今までは「変わって欲しい」で、今は「変えて欲しい」か。 男「……仕方ねーな」 かなた「……男くん……」 男「確かに、何かやってみてからでも消えるのは遅くないからな」 かなたが言うように、まだ一日残っている。 明日……つまり24日が。 またループが起こったら、俺の記憶は失われるかもしれない。 だが、そうなるまでに何かしてみよう。 生きている限り。 男「……だよな、こなた」 こなた「……うん」 こなたも同意し、その顔をあげる。 こなた「祈ったり、逃げたりしたけど、まだ何かをしようとはしてないから」 その目は赤くはれていたが、今までで一番……一番……。 男「……」 こなた「なに?」 男「……お前、可愛いな」 こなた「ぶっ」 かなた「ぶっ」 男「な、なんだ? 俺、変なこと言ったか?」 こなた「今までは可愛くなかったと!」 かなた「親の前で娘を口説くですと!」 男「べ、別にそういうつもりじゃねーよ! というか同時に話すな、聞き取りにくい!」 こなた「じゃあどういうつもりなのかなー?」 かなた「じゃあどういうつもりなんですか?」 男「え、えぇいうるさい黙れっ!」 こなた「うぶっ!」 かなた「塩痛いっ!」 かなた「と思ったら痛くない! ぺろ。しょっぱい!」 男「……そういえばお前、なんか天使っぽい翼が生えてるぞ。塩も効かないみたいだし、幽霊から昇格したのか?」 かなた「どうでしょうか? ついに天使になっちゃったかもしれません!」 男(まぁ確かに最初に会ったときは天使っぽいと思ったが……) こなた「たぶん違うよ。ここでは私のイメージが強いからその姿なんだ」 かなた「……」 男「ハッ」 かなた「もー! もー! こなた、やっつけて!」 こなた「了解したー」 男「ちょっ! 待て! なんだその100tと描かれたデカいハンマーはっ!」 こなた「おしおき用」 男「そんなことは聞いてないっ! それでなななななにをする気なんだ!?」 こなた「バッチコーン」 男「死ぬわっ!」 こなた「大丈夫だよ。漫画力場が発生して、ペッチャンコにはなるけど死なないのだ」 かなた「わくわく」 男「てめええええええええぇぇぇっ! 何故わくわくしてやがんだァーッ!」 こなた「それにさー。真面目な話、何かするならそろそろ現実に帰らないと駄目だし。覚悟しろー」 男「こ、ころされるっ!」 こなた「ふひひ。さぁ始めるざますよ」 かなた「いくでガンス」 ハンマー「んがぁ」 男「ま、まともに起こしなさ――」 メ メ タ ァ ! 男「ひぎぃっ!」 (=ω=.*)「ぐーぐー」 男「……」 (=ω=.*)「むぅ……」 男「こなた?」 (=ω=.*)「じゅる……ぐー……」 男「寝てるな。それに尻尾も耳もない……こいつは間違なく人間こなたか」 (=ω=.*)「むにゃ……それは駄目だよ……なんでみさきちに告白なんだよ……死亡フラむにゃ」 男「……戻ってきたんだな」 部屋は俺があっちに行く前と大して変わりはない。 強いていえば、人間こなたが俺の横にぴったりくっついてきていることくらいか。 時刻は正午。 男「もっと長いこといたような気がしたんだが。本当に長いこと……ってそれより狐! 狐こなたは!?」 俺は慌てて辺りを見回した。 だが慌てるまでもないことに、すぐに気付いた。 狐は俺の膝に乗っていた。 狐「……」 男「……よう」 狐「こんっ」 男「……」 俺は思わず狐の頭を撫でていた。 狐「くぅん」 男「よしよし」 狐「くんくん」 男「……そういや、かなたは?」 狐「くる」 狐は、物置の方に首を傾げた。 男「もう隠れたのか」 狐「こんっ」 男「ふーん」 狐「……ぐぅぅ」 男「腹へってるか。そういえばお前、飯も食ってなかったんだったな」 狐「こんこんっ!」 男「コロネ希望? アホ。人間のお前が食ってしまったわ」 狐「ぐるるっ!」 男「何? 台所に隠してあるだろう、って? な、何故知ってる! だがあれは俺の秘蔵の……!」 狐「くぅー!」 男「わ、わかったわかった!」 狐「くん!」 男「……おい」 狐こなたはコロネを平らげると、すぐに眠ってしまった。 よっぽど疲れていたんだろう。 狐「くー……」 男「……」 (=ω=.*)「よく寝てるねー」 男「む。お前、起きたのか」 (=ω=.*)「まぁね。快眠快眠! 男も快眠!?」 男「デスマッチ」 (=ω=.;)「ですま……なんの夢を見たの?」 男「夢だけど夢じゃなかっもう鉈は嫌だァーッ!」 (=ω=.;)「錯乱してますな」 男「ふるふる」 (=ω=.*)「そんなことより、この寝顔見てよ!」 狐「くーくー」 (=ω=.*)「可愛いねぇ!」 男「自画自賛……」 (=ω=.;)「は?」 男「なんでもないっす。き、狐は可愛いっすね」 (=ω=.)「あ。それ。前にも言ったけどさぁ。名前くらい付けようよ。狐ってダイレクト過ぎるでしょ」 男「……うむ。そうだな。名前付けるか」 (=ω=.*)「おお! 前は生き物への侮辱だとか言ってたのに、すんなりだね。どういう風の吹き回し?」 男「色んな風だ。じゃあこいつの名前は……」 (=ω=.*)「わくわく」 男「初代こなた」 物置「ガタガタッ!」 Σ(=ω=.;)「ひゃあっ! 今なんか物置がガタガタいった!」 男「き、気のせいさ!」 (=ω=.;)「……で、なんで私の名前」 男「気に入らないか? じゃあ……」 (=ω=.*)「どきどき」 男「狐鉈」 物置「バタバタ!」 Σ(=ω=.;)「また物置ガーッ!」 男「気の精だ。気と物置に宿るんだ」 (=ω=.#)「というか狐鉈ってなんだよ! また私かよ! しかもまた鉈かよ! 二度おいしいのかよ!」 男「五月蠅いなぁ」 (=ω=.)「ハッ」 男「ん?」 (=ω=.*)「そんなに私が好き?」 男「というかお前が俺を好きなんだ」 (=ω=.;)「モウナニガナンヤラ……」 あーだこーだ言い合ったが、一向に名前は決まらなかった。 その内こなたが言った。 (=ω=.;)「も、もういいや、名前なんか」 男「何故に!」 (=ω=.#)「男が私の名前を入れようとするからだよ!」 男「だって」 (=ω=.)「それに、私そろそろ帰らねばー」 男「お? 飯食ってかないのか?」 (=ω=.)「そうしたいのは山々だけど、今宵はネトゲで祭りがあるのだ」 男「ふむ。なら仕方ないな」 (=ω=.*)「ないな」 男「送ってくよ」 (=ω=.;)「あーあー! いいよ! 私のことは気にしてくれるな! 狐ちゃんについててあげて」 男「でもこいつ元気だし」 (=ω=.#)「いいったらいいんだよ! そんじゃ、また明日!」 バタン、と部屋のドアが閉まった。 男「……なんなんだ、あいつ」 かなた「……行きました?」 男「うおあっ。後ろから忍び寄るなアホ!」 かなた「だってー! 物置は狭くて暗くてこわひ……」 男「幽霊が闇を恐れるなよ! 紛れて生きやがれっての!」 かなた「それは妖怪人間です」 男「で、だ」 かなた「でだ?」 男「どうする?」 かなた「これからですか? とりあえず私は爪切りを探そうかなって」 男「だから何故爪切りなんだ!? 伸びないくせに! というか貴様も何か考えやがれ! このままだとまたループだぞ!」 かなた「そ、そうですね! んー……」 男「……」 かなた「……」 男「……」 かなた「思い付かないですねー」 男「やっぱ死ぬしか」 かなた「あーあー! 待ってえ!」 男「自分が何か出来ることがあるとか言ったくせに」 かなた「むぅ。それはそうですが……」 子狐「くー」 男「こなたはこなたで気持ち良さげに寝てるし……」 かなた「え!? こ、こなたは今出ていったんじゃ!」 男「いやこっちのこなただ」 かなた「ほっ。こっちでしたか」 男「わかりにくいこと山のごとしだな」 かなた「そういえば男くん、出てった方のこなたを送ってあげなかったんですか?」 男「いらないってさ」 かなた「なんですと!」 男「あ、あぁ」 かなた「駄目ですね! 男くんは駄目ですね!」 男「はぁ?」 かなた「男の子なら無理にでも恋人を送ってあげないとですよ!」 男「い、いや、でもあいつが必要ないって」 かなた「駄目なんです! さぁ早く追い掛けて! こっちのこなたは私が見ておきますから!」 男「ギャアアアわかったから俺に触るなアアア!」 かなた「ふぅ。さて、爪切りは……と」 男「最近の俺、やたら流されやすくなった気がする……」 愚痴を言いながらこなたを探す。 家を出てから大して時間が経ってないというのに、あいつの姿は見えない。 そうしていると商店街に着いてしまった。 男「あいつは……」 ここで見つからなかったら諦めよう。 こなたが走って帰ったのなら、俺の足じゃ追い付けないし。 男「……足の速い奴め」 俺は軽く肩を落して、煙草に火を点けた。 ラッキースターの甘い香りを吸い込み、吐き出す。 吐き出した煙は俺の後ろの方に流れていって…… 「こほんこほんっ!」 誰かがむせた。 俺は小さな期待を胸に振り向いた。 リボンの女「こほんこほんっ」 しかしそこにいたのはリボンを付けた小柄な女だった。 彼女があまりにむせ込むので、俺は声をかけた。 男「あ、悪い。煙たかったか」 リボンの女「ううっ。な、なんて優しい言葉」 男「は?」 リボンの女「胸に染みて涙が出るよ……」 男「いや煙が目に染みて涙が出てるんだろ」 リボンの女「すんすん」 男「……あれ?」 リボンの女「はい?」 男「お前、どっかで見たことあるな」 リボンの女「わ、私のこと知ってるの!?」 男「……いや、どっかですれ違っただけかな……」 リボンの女「……ううっ。どんだけー……」 (選択肢) →なんか可哀相なので拾って帰る。 こなたのことを尋ねてみる。 男「……ウチ来るか?」 リボンの女「えっ」 男「いや、よくわからないが大変そうだし、ウチ来る?」 リボンの女「いいのっ!?」 男「あぁ。幽霊と一匹が住み着いてる家でよかったらだが」 リボンの女「も、もちろんだよ! なんでもいいよ!」 男「じゃあ決まり」 リボンの女「わーい! や、やっと公園で野宿生活から開放される! もうコンビニ裏の弁当は嫌だ!」 男「あ、ああそう。苦労してんだな……」 リボンの女「神様……あなたは神様……」 男「目立つからこんな所で崇拝するな!」 リボンの女「ううー……」 男「……お前、名前なんていうんだ?」 リボンの女「わからないの……」 男「そうか。ならさかつとかどうだ?」 さかつ「ううっ……名前貰っちゃった……」 男「ほら、笑えよさかつ。笑った方が可愛いぜ?」 さかつ「……う、うっ。えへ……ううっ。泣いちゃ駄目なのに!」 男「……」 さかつ「笑わなきゃ駄目なのに!」 男「……」 さかつ「笑えないよぉぉ……ひん……ひん……」 男「…………それはきっと普通だよ……」 さかつ「そうかなぁ?」 男「……いや、普通じゃないかな? よくわからんが帰ろうか」 さかつ「うんっ」 かなた「で! 拾ってきちゃったと!」 男「ハイ……」 さかつ「ひぎぃらさかつです。名前は男くんから貰いました。よろしくお願いします幽霊さん」 子狐「……」 さかつ「よろしくね、狐……狐……き……きっちゃん」 子狐「……」 男「そ、そんな目で睨むなよ!――ってわあああああああ」 狐の目が怪しい光を湛え、俺の視界がぐにゃりと歪む。 俺は白い世界にいた。 こなた「失望した! 男には失望した! 何してんの! 何連れてきてんの!」 男「お、おちけつ!」 こなた「もっとやることあるでしょ!? 無意味なことしてトゥルーエンドいけると思うの!?」 男「な、なんだその鉈は!」 こなた「やっぱり死んじゃえ」 男「かなた! 天使かなたはどこだ!」 しかし天使かなたはいない。 男「アッー!」 その頃、現実世界。 さかつ「男くん、男くん? 急に寝ちゃって、どうしたの?」 男「……」 さかつ「男くん?」 男「……」 さかつ「し、しんでる!」 男「……」 さかつ「……じゃあこの家貰っちゃおうっと」 男「……」 かなた「……馬鹿なんですか?」 エンディングG「ひぎぃらさかつの憂鬱」 (選択肢) なんか可哀相なので拾って帰る。 →こなたのことを尋ねてみる。 男「なぁあんた。ちっこい女見なかったか?」 リボンの女「ちっこい女?」 男「ちっこくて髪長くてアホ毛ついてて泣きボクロがあるんだ」 リボンの女「それって……あの子のこと?」 男「え?」 (=ω=.;)「むぅぅ……」 男「……いた。あいつ、あんなとこで何やってんだ」 リボンの女「知り合い?」 男「まぁな」 リボンの女「いいなぁ知り合い……いいなぁ……」 男「……」 リボンの女「くすんくすん。しくしく」 リボンの女はしくしく泣きながら歩いていった。 男「……ま、いいか」 (=ω=.;)「むぃぃ……」 男「おい、こなた」 Σ(=ω=.;)「わあああああああああああああああああああああ」 男「ビクッ」 (=ω=.;)「はぁはぁ。お、男。どうしてここに」 男「かな……あー……なんとなくお前が気になってな」 (=ω=.*)「男……」 男「こなた……」 そのとき、どこからか視線を感じた。 黒井先生「……」 黒井先生だった。 俺と先生の目が合った。 黒井先生「なんや! 泉と男やないか! なんか文句あるんかー!」 (=ω=.;)「い、いやぁ別に……」 黒井先生「ラブラブしよってからにー! クリスマスイブイブってか!?」 男(前回のあれ、この人だったのか) 黒井先生「熱々ってかぁー!? 見せつけとるつもりか!」 (=ω=.*)「見せつけてはないけどラブラブです」 黒井先生「むきーっ! 学生の癖に受験勉強もせんとまぁ!」 男「ウグッ!」 (=ω=.;)「ぴぎゃっ!」 黒井先生「ハッハ。ダメージありか。ええ気分やなぁ。酒でも飲んでこよーっと!」 そうして黒井先生は楽しげな足取りで駅の方にスキップしていった。 (=ω=.;)「……あんなに上機嫌にならなくても」 男「よっぽど寂しいんだな……」 (=ω=.;)「そうだね」 男「……」 (=ω=.*)「……私は、幸せだけどね」 男「で」 (=ω=.)「んー?」 男「お前は、こんなとこで何してんだ?」 (=ω=.;)「オウフ」 男「……」 (=ω=.;)「……」 男「言えないのか」 (=ω=.)「言えないこともないとはいえないとは言い切れない」 男「否定の反復はやめろ」 (=ω=.*)「何度『い』と言ったでしょう?」 男「八回」 (=ω=.;)「早」 男「過去ログ読めばいいことだし」 (=ω=.#)「システムを利用しないように」 男「五月蠅い黙れ話が進まん! いい加減何してたのか教えやがれ!」 (=ω=.;)「わかったよー。強引だなあ」 男「……」 (=ω=.)「実はネトゲでイベントって嘘なんだー」 男「嘘?」 (=ω=.)「うん。その……明日のことっすよ」 男「明日?」 (=ω=.*)「またまたぁ。しらばっくれちゃってー」 男「……ま、まさかお前……」 (=ω=.*)「そ!」 男「何故お前が……」 (=ω=.;)「何故って彼女だし。プレゼントくらい買いにくるよ」 男「……なんだ。そのことか」 (=ω=.#)「なんだとはなんだーっ!」 男「あぁ悪い悪い。」 (=ω=.)「……まぁいいか。とにかく、こうして店の前まで来ると悩んじゃってさぁ」 男(……そうか。俺がもうブレスレットを持ってるから、困っちまったのか) (=ω=.#)「こうなればもうPS3でも……!」 男「や、やめろ! そんな高すぎるものはいらんっ!」 (=ω=.;)「でも……」 男「……そうだ」 (=ω=.)「ん?」 男「いらん」 (=ω=.;)「え゛」 男「誕生日プレゼントはいらん」 (=ω=.;)「どしてっ」 男「もう貰ったからだ」 (=ω=.;)「えぇ!? あ、あげた?」 男「あぁ。くれた」 (=ω=.)「……」 男「……」 (=ω=.*)「私の心?」 男「違います」 (=ω=.;)「だから即答はやめて……」 男「気にするな。とにかくお前から誕生日プレゼントは貰ったからな」 (=ω=.;)「……私は何を奪われたんだろう」 男「ま。そういうことで、帰ろうぜ」 (=ω=.;)「うーん……」
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一匹のれいむは今日、一つの覚悟を決めた。 『おにいさんにじぶんをたべてもらう』と。 れみりゃに襲われ、家族が犠牲になって助けられたれいむだが、群れの皆からすれば家族を見捨てて助かった薄情なれいむだ。だから誰も受け入れてはくれなかった。 薄情者、家族を見捨てて逃げ出したゲス、親友のまりさにまでれいむはそう言われた… 受け入れてもらう事を諦め、群れを離れてゆっくりできる場所を探そうとして飛び出したれいむは、直後に発情期のありすの集団に襲われた。 必死に逃げ、人間の住む里の目の前で転んでしまいありすからのレイプが始まる。 滑る相手の気持ち悪い体から逃げようにも、何匹に圧し掛かれては身動きすらとれない。 小さい自分の体は朽ちてしまうだろう… きっと家族を捨てて一人で逃げたからこうなってしまったのだ… そんな風にれいむが考えていると、突然圧し掛かっていたありすの重みがなくなった。 起き上がって辺りを見回す。すると、一人の人間がありすを踏み潰していた。 あぁ、自分は助かった訳ではないんだ… 親から聞かされていた人間の怖さを恐ろしさを思い出したれいむは逃げることを諦めて眠る事にした。 寝てる間ならば何も感じる事無く死ねると考えたのだ。 だが、れいむが目を覚ますとそこは天国ではなく人間の家だった。 男はれいむを虐待するわけではなく、純粋にありすのレイプから救出してくれたのだ。 ありすの重みで破けてしまった皮はしっかり治療され、美味しいご飯を男は差し出した。 居る場所がないのなら「ここに住めば良い」と言われ、男に飼われたれいむ。 一緒に遊び、男が仕事から帰ってくるのを素直に待ち、れいむは幸せな日々を過した。 体もソフトボールサイズから大きく立派なゆっくりになった。 ここまで大きくなれたのは男がいたからである。 だから、ゆっくりのできる最大の恩返し、自分の体を食べてもらう。れいむはそれを望んだのだ。 朝起きてその事を伝えると、寂しそうな顔をしながら男は「わかった」と言ってくれた。 そして、今、れいむは男の帰りを心から待っていた。 食べられたら自分が死ぬと分かっていても、れいむは1分1秒でも早く食べてもらいたかったのだ。 だが、いつも帰ってくる時間を過ぎても男は帰ってこなかった。 れいむは不安になった。「おにいさんはじぶんをたべてくれないのでは」と。 時計と玄関を何度も往復し、それでも男は帰ってこない… れいむの不安はどんどん高まる。しかし、とうとう男は帰ってきた。 急いで玄関に向かい、男に文句をれいむは言った。 「おにいさんおそいよ!! かえってこないかとおもってれいむはふあんだったんだよ!!」 「悪い悪い、すぐ食べてやるからな」 笑いながら言う男にれいむは安心した。あぁ、ちゃんと食べてもらえるんだと。 だが、男が家に入ってくるとその後ろから別の人が家の中に入ってきた。数は5人 「お邪魔しま~す」 「久々だな~お前の家に来るのも」 「前きたときはゆっくりなんかいなかったのにな」 「変なもん飼う奴だ」 「それに相変わらず綺麗な家だな、まめな奴だぜ」 「うっせぇ、すぐ準備するから座って待ってろや」 「わかったよ」 「楽しみにしてますんで」 「美味い事を祈ってるぜ~」 「不味かったら承知しないからな」 「茶も入れてくれよな」 ぞろぞろ奥へ入っていく5人の男。これから食べてもらうはずなのに、何でお兄さんは人を呼んだのか? れいむは不思議に思った。 「さ、すぐ食べてやるからな~」 男に「どっこいしょ」と言われて抱えられ、テーブルの上に置かれたれいむは男に聞いた。 「おにいさん、あのひとたちはだれなの?」 「ん? あいつらはお前食うのを手伝ってもらうのに呼んだんだよ。いい奴ばっかだから大丈夫さ」 その言葉にれいむは固まった。慌てて男に聞き返す。 「て、てつだってもらうってなんで!? れいむはおにいさんだけにたべてもらいたいんだよ!!」 「でもなぁ、お前でかいから俺一人で食うのは無理だよ」 男の言ってる事は正しい。 まん丸と大きくなったれいむの大きさは男の膝まであるし、当然幅も大きい。だから中身の量も増える。 確かに一人の人間が食べきれる量ではないだろう。 「それでもおにいさんだけにれいむはたべてもらいたいんだよ!!」 「無茶言うなって。じゃ、切るからな」 「やべでよおおおおおおおおおおおお!! おにいざんがだべでぐれなきゃいみないよおおおおおおおお!!」 「だから食べるって言ってんだろ。それにお前の中身餡子なんだから半分は砂糖だろ?一人で食ったら病気になっちまうよ」 「いやだよ!! おにいざんひどりでだべでぐれなきゃやだよ!! おねがいだがらだべでよ!!」 「だから無理だって。じゃ、切るぜ~」 上から包丁をれいむの端に添えて、徐々に力を込めていく男。 「おにいざあああああああああああああああああああああんんんんんん!!」 「静かにしろよ、夜遅いんだから」 皮を切られ、中の餡子も切られていく。それでもれいむは動かない。 お兄さんには食べて欲しい、でも他の人間には食べられたくない。でも、そうしなきゃお兄さんは食べてくれない。 自分の問いが頭の中をぐるぐる回る。その間にも包丁はれいむの体に切り込まれていく。 中の餡子が切られていくことで、次第にれいむは目が霞んでいく。 死の間際に、れいむが一言だけ呟いた。 「おにいさんだけにたべてほしいよ…」と。 終 好きな人に食べて欲しいって言われても、でかくなりすぎたら一人じゃ食えないよね。 だったらどうする?→皆で食べればいいんじゃないかな?→でもそれはゆっくり的にはどうなんだろ? 好きな人に食べて欲しいのにそれ以外の人間に食われたら嫌なんじゃないかな…そう思って書きました。 最後に、こんな駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます!! 書いた作品 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス このSSに感想を付ける
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その5より 「おおおにいさん!! きょきょきょうは、れれれいむをぎゃくたいしてね!!!」 翌日、れいむは男の足音が聞こえてくるや、男の言葉を待たずして、精一杯の声でそう叫んだ。 そうでもしないと、奮い起した勇気がいつ萎んでしまうか分からないからだ。 現に、今のれいむは朝から一度も震えが止まらなかった。 しかし、言ってしまった以上、後戻りはできない。する気もない。 自分の存在意義がかかっているのだから。 「ほう、ようやくお前の出番が来たか。待ちくたびれたよ」 男はさも嬉しそうに、扉越しに声をかける。 対して、まりさとありすは、何を馬鹿な事を!! と言わんような口調で、れいむに詰め寄ってくる。 「れいむ!! なにをいってるの!! ゆっくりばかなことはいわないでね!!」 「そうよ、れいむ!! れいむがぎゃくたいされることはないわ!! ここは、まりさととかいはのありすに、まかせておけばいいのよ!!」 まりさもありすも、予想通り、れいむを止めにかかる。 しかし、ここで虐待を止められるわけにはいかないのだ。 まりさと対等になるためにも。 ありすより先に、まりさにプロポーズするためにも。 「まりさ、ありす、ゆっくりありがとう!! でもれいむはへいきだよ!! きょうは、ゆっくりしていってね!!」 「ゆぅぅ!! うそつかないでね、れいむ!! こえがふるえてたよ!! れいむがいじめられることなんてないんだよ!! きょうはまりさにまかせてね!!」 「もうきめたんだよ、まりさ!! それに、いつまでもまりさとありすにたよってばっかりじゃいられないよ!! ゆっくりりかいしてね!!」 「れいむこそゆっくりりかいしてね!! れいむがいじめられること、ないんだってば!!」 「なんといわれても、れいむのかんがえはかわらないよ!! おにいさん!! ゆっくりはやく、れいむをつれていってね!!」 埒が明かないと感じたれいむは、さっさと男に連れて行けと要求する。 いつまでもまりさやありすと話をしていると、せっかく奮い立たせた勇気が萎えてしまいそうになるのだ。 そのため、多少強引ではあったが、れいむは二匹との会話を切り上げた。 「ふふ、久しぶりに、れいむを苛め倒すことが出来るよ。楽しみで仕方がないぜ」 男はれいむの部屋の鍵を開けると、扉を開けた。 その手には、一月ぶりに見る、恒例の箱が収められている。 この部屋と虐待部屋を行き来するのに、かつて男が使っていたものだ。 れいむはそれを見るや、体が委縮してしまう。これから虐待をされるのだと、否応なしに思い知らされるのである。 「さあ、れいむ。この箱の中に入れ」 男が木箱の蓋を開けて、命令してくる。 両壁からは、突然まりさとありすの声が聞こえなくなった。 何を言っても無駄だと気づいたのだろうか? それはそれで好都合だが、いざ声が聞こえてこないと不安になってくるのも事実だ。 生物(?)の心理とは、本当に不思議なものである。 れいむが完全に入ったことを確認した男は、木箱の蓋を閉める。 そして、れいむに一言言葉をかけた。 「お前だけは、利口なゆっくりだと思っていたのに、どうやら俺の見込み違いだったようだな」 利口なゆっくり。 この場合、頭がいいという意味ではなく、卑怯・狡猾という意味であろう。 二匹に虐待を任せ、一匹気楽に過ごしていたれいむに対する皮肉であろうか? 何とでも言うがいいと、れいむは心の中で反発した。 男は知らない。 虐待されることこそが、れいむの望みであることを。 これこそが、自分がこれから生き残る上での最善の方法であることを。 虐待されることは、すなわち将来への布石なのだといういことを。 自分が勝者だとおもっているであろう男は、れいむから見たら自分に従って動くピエロのようなものであった。 男の規則正しい足音が聞こえ始めた。移動を開始したのだろう。 これから一か月ぶりに、れいむは虐待を受ける。 れいむは、再度耐えしのぐ決意を固めた。 およそ一月ぶりに受けた虐待は、予想通り、死んだ方がマシといえるほど苦しいものであった。 それでもれいむは必死に歯を食いしばり、男の責苦に耐え続けた。 悪魔の拷問ような一時間が過ぎた時、れいむはあまりの激痛に意識を手放してしまった。 それでも男はきっちり時間どおり終えて、部屋に戻してくれた。 れいむが目を覚ましたのは、翌日の朝方であった。 虐待を受けてから、丸々20時間近く眠っていたことになる。 昔は虐待を受けても、ここまで長く休息を取ったことはなかった。 やはり、久しぶりの虐待に、体が付いてこなかったのだろう。 れいむは起き上がると、未だ痛みの引かない体を引きずりながら、ドッグフードと水の置かれている部屋の隅に向かい、もそもそと食べ始めた。 まりさとありすはまだ寝ているのか、物音一つ聞こえなかった。 少し残念ではあるが、れいむももうひと眠りしたいので、好都合でもあった。 何しろ、れいむは今日も男の虐待を受けるつもりなのだから!! まりさやありすに言えば、絶対に反対されるだろう。昨日の様子を見て入れば、考えるまでもない。 しかし、虐待を一回受けた程度でまりさと対等になったなどというおこがましいことは、さすがにれいむも考えていなかった。 まりさの受けた回数と同じとまではいかなくとも、少なくとも一週間分くらいは虐待を受けなくては、まりさと同じ位置に並べない。 だからと言って、ありすがいつまりさに告白するか分からない以上、三匹で順番に虐待されるなんて、悠長なことは言っていられない。 ほんの一月前までは、毎日のように虐待をされ続けてきたのだ。 それでも、れいむは生きている。悔しいが男の加減は、それだけ正確なのだろう。 これで障害が残ったりするなら考え物だが、そんなこともない以上、れいむは今日も明日も明後日も虐待してもらわなければならない。 そのためには、まず体力を回復させることが、何をおいても重要である。 れいむは食べ終わると、再び男がやってくるまで、眠りについた。 「れいむ!! いいかげんにやすんでよ!!」 「そうよ、れいむ!! これいじょうむりはやめてね!!」 れいむが虐待される決意をしてから、一週間が経過した。 まりさとありすは、2〜3日はれいむを説得し続けたが、れいむが以前のありすのように意志を曲げないと分かると、次第にれいむの心意気をくんでくれるようになった。 しかし、それでいて二匹のこのセリフ。れいむを行かせまいと必死で止めている。 納得したというのに、二匹がれいむを止める理由。 それは、れいむがこれで一週間連続で虐待をされ続けているためである。 どんなに止められようと、れいむは虐待され続けた。 男もそんなれいむの狂気じみた様子に、何か思うところがあったのだろうか? れいむの言い分を聞いて、毎日虐待をし続けてくれた。 しかし、虐待を受けているというのに、れいむは嬉しかった。 自分の思い通りに事が運んでいることに満足していた。 れいむにどんなにやる気があろうと、目下最大の懸念は、男がれいむを指名してくれるかというものであった。 如何に自分から名乗り出ようと、れいむを心配するまりさとありすも必ず名乗りを上げてくる。 心配してくれるのは嬉しいのだが、この時ばかりは、二匹のお節介も鬱陶しいと思わざるを得なかった。 気分屋の男だ、その日の気分次第ではれいむを虐待してくれないかもしれない。まりさやありすを選ぶかもしれない。 しかし、れいむには時間がないのだ。最短でまりさと対等にならなければならないのだ。 それを男は見据えているかのように、れいむを虐待してくれる。 れいむは、すんなりと事が運ぶことに満足し、今日も虐待の痛みに必死で耐えた。 虐待が終わり、れいむは部屋に戻された。 いつもなら食事をしてすぐに寝付くのだが、今日のれいむは中々寝られなかった。 嬉しかったのだ。 れいむの目安としていた一週間が終わったのだ。 これでやっとまりさとありすに、負い目を感じることはなくなる。 まりさと同じ高さに立てる。 そう考えると、ついついニヤケ面になってしまい、体の痛みも忘れてしまいそうになる。 そんなれいむに、両隣から声が掛って来た。 「れいむ!! だいじょうぶなの!?」 ありすの声である。 余程心配だったのだろう。 れいむの企みを知らぬありすは、必死にれいむの名を呼び続けてくる。 「れいむ!! あしたはぜったいにまりさがぎゃくたいされるからね!! これいじょう、れいむがいくんだったら、ぜっこうだよ!!」 まりさの言葉。 絶交とは、温和なまりさがよく口にしてきたものである。 危なかった。ノルマが達成した後で助かったものだ。 まりさと一緒になるために頑張っていたのに、そのまりさに嫌われてしまっては、本末転倒である。 「ゆっ……わかったよ、まりさ……あしたは……まりさにまかせる…ね……」 「ゆっ!?」 今まで頑として、まりさの言葉に耳を傾けなかったれいむが、いきなり素直になったのを受け、まりさは言葉を詰まらせた。 しかし、れいむの言葉はまりさにとっても、嬉しかったのだろう。 久しぶりに、まりさの声が落ち着きを取り戻した。 「ゆうぅ!! やっとれいむが、まりさのいうことをきいてくれたよ!!」 「ごめんね……まりさ………しんぱいばっかり……かけて」 「まったくだよ!! ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆっくり……はんせいするよ……」 「れいむ!! あしたはまりさだけど、そのつぎはありすがいくからね!!」 「ゆっ……ゆっくり…りかいしたよ……ありす……がんばってね……」 「まったく、しょうがないわね!! あとはとかいはにまかせなさい!!」 「おねがいね、ありす……でも……そのつぎは………またれいむがいく……からね」 「なにいってるの、れいむ!! れいむはしばらくおやすみよ!!」 「そうだよ、れいむ!! あとは、まりさとありすにまかせてね!!」 「だめだよ……れいむだって……まりさとありすの……やくにたちたいよ……ゆっくりなかまはずれは……やめてね」 「ゆぅぅ……やっぱりれいむはいじっぱりだよ!!」 まりさは最後に困ったような言葉を吐きながらも、最終的にはそれを認めてくれた。 元々、れいむが虐待をされることに反対だったわけではなく、れいむの行き過ぎる行いに対して苦言を呈していたのである。 れいむがしっかりと順番を守ってくれるのなら、まりさはれいむの意志を尊重してくれるつもりなのだ。 やはり、まりさは最高のゆっくりである。 この一週間、地獄の苦しみに耐えたかいがあったというものだ。 これで、準備は整った。 後はありすより先に、まりさに告白をするだけ。 しかし、物事にはタイミングというものがある。 少しでも確率を上げるためにも、その時に告白するのがベストだろう。 あの呑気でお人よしのれいむは、この時もうすでに存在していなかった。 世の物事すべてを損得の計算で考えられるように変わってしまったのである。変わらざるを得なかったのである。 それだけこの異常な空間が、れいむを変えてしまったのである。 しかし、れいむは自分が変わってしまったことに気付きもしない。いや、例え気づいていても、どうも思わないだろう。 すでに賽は投げられたのだ。 もう振り直しは出来ない。どの目が出ようと、突き進無以外道はない。 れいむは、そのまま少しの間二匹とお喋りをし、その後すぐに意識は深い深い海の底に落ちていった。 自分の成功を信じながら。 れいむの無茶苦茶な一週間が終わり、まりさとありすを含めて、三匹でサイクルを組んで虐待される日々が始まった。 すでにまりさ→ありす→れいむと一回り虐待は終了しており、今日はサイクルが始まってから、れいむが二回目の虐待を受ける日であった。 それと同時に、れいむが例の作戦を実行に移し出すと決意した日でもあった。 今日、男の虐待から戻ってきたら、まりさに告白しよう。 れいむはそう決めていた。 そのタイミングを選んだ理由はいくつかある。 一つ目は、虐待帰りだということである。 普通に告白をするより、虐待を受け心身ともに疲れている方が、まりさの気を買えるだろうという、れいむなりの考えである。 それなら、虐待一週間を終えたすぐの方がいいのではと思うかも知れないが、これについても、れいむなりに思うところがあった。 あの場で告白してしまったら、れいむの考えを見透かされる可能性があったからである。 見透かされるとは、虐待を受け続けた理由が、まりさに告白するためだとバレテしまうことを意味する。 そんなことを知られては、計算高いゆっくりだと、逆に引かれてしまいかねない。 しかし、数日置けば、さすがにそこに結びつけることはなくなるだろう。 二つ目は、あまり悠長に構えている時間もないということである。 作戦はただ告白するだけでなく、ありすより先にするというのが根幹の部分にある。 れいむも出来ることなら、もっと時間を置きたいのだ。 虐待のノルマを達成したといっても、それは所詮れいむだけが考えていることである。 まりさからすれば、れいむなんてまだまだ苦しんでないよと感じられるかもしれない。 だからこそ、今後もっと虐待を受け続けていけば、それだけまりさに近づくことが出来るのである。 しかし、悠長に構えていてありすに先を越されてはたまらない。 そういった様々な要素を考えまとめ、れいむは今日まりさに告白することを決意したのである。 男に虐待部屋に連れてこられ、今日も虐待が始まった。 その日れいむに怯えはなかった。 いざ告白を決意しても、ちゃんとまりさに伝えることが出来るか不安でいっぱいなのだ。 それに、ちゃんと告白できたとしても、まりさがれいむの告白を受けてくれるかどうかも分からない。 その気持ちが、虐待の不安を押し退けてしまったのである。 体が虐待に慣れてきたことや、虐待内容が以前行われた事の繰り返しであるということも、れいむにあまり不安を与えない要因となったのだろう。 れいむは、虐待の痛さに必死で耐えながらも、頭の中では今後のことばかりを考えていた。 虐待は終了し、れいむは部屋に帰された。 いよいよ告白の開始である。 痛さと疲れはあるものの、ゆっくりのくせにアドレナリンでも出ているのか、れいむはそれをほとんど感じなかった。 ゆっくりは思い込みの生物であるという学説がある。 思考のすべてを今後のプロポーズに費やしたれいむは、自分が痛いということを忘れてしまい、それが体にも影響しているのかもしれない。 ある意味羨ましい体である。 と、れいむがどういうふうに切り出すか悩んでいると、当のまりさの方かられいむに声をかけてきた。 「れいむ!! ゆっくりだいじょうぶだった?」 「ゆぅ!! ゆっくりだいじょうぶだよ!! ぜんぜんへっちゃらだよ!!」 いつも通りのやり取りであるが、れいむは言葉にしてからしまったと思った。 虐待後を狙ったのは、苦しみながらも告白することで、まりさの気を最大限引き寄せる効果を狙ってのつもりだったのに、うっかりと普通に話をしてしまった。 考えに夢中で痛さを感じないのも良しあしである。 こうなったら作戦実行日を変えるか? いや、やはりそれは出来ない。 ありすがいつ告白してくるか分からないのだ。あまり時間はかけたくない。 それに、せっかく今日に計画を合わせてきたのだ。 れいむは気持ちの面でも最高潮に達している。今なら、れいむの有りっ丈の気持ちをまりさに伝えきることが出来る。 れいむは、無駄な事を考えることは止めた。 最初から出鼻を挫かれたのだ。もう怖いものなどありはしない。当たって砕けろ!! いや、砕けたくはないけど、そんな意気込みで言え!! 本心をまりさにぶつけることにした。 「まりさっ!!」 「ゆっ!? なあに、れいむ?」 「れいむは、まりさがだいすきだよ!! まりさのことを、ゆっくりあいしているよ!! れいむといつまでもゆっくりしていってね!!!!」 「!!!」 言った!! 言ってしまった!!! もう後には引けない。賽は投げられた。 れいむの愛の告白に、まりさは何も返事を返してくれなかった。 しかし、一瞬、言葉に詰まった様子を見せた。相当驚いているのだろう。 こんな場合だというのに、告白なんてしてくるんだ。無理もない。 れいむは緊張で、喉(?)が乾いて仕方がなかった。 一刻も早く、水を飲みたい。 しかし、まりさの返事を聞くまでは、なんとか我慢するつもりだった。 壁越しの告白のため、姿は見えないのだが、水を飲んでしまったらまりさに振られる気がしたのだ。 様は願掛け、気分の問題である。 30秒が過ぎ、一分が経過しても、まりさは一向に口を開かなかった。 さすがにれいむも焦りだした。 やはり、まりさはれいむのことを好きじゃないのか? れいむじゃ、まりさには釣り合わないのか? 様々な感情が去来する。 しかし、ようやくまりさが口を開いて来た。 考えが纏まったのだろう。 「れいむ……れいむのきもちはうれしいよ」 「ゆっ……」 「まりさもれいむがだいすきだよ……」 「ゆゆっ!!」 「……」 そう言って、まりさは再び沈黙してしまう。 大好きだよ。 愛の告白をして大好きを言われたのだから、普通に考えれば、れいむの気持ちを受け止めたと考えていいのかもしれないが…… その後の間が嫌な気分にさせる。 なんとか傷つけないように断る手段を考えているような気分を感じさせる。 れいむは、やはり自分ではダメだったのかと弱気になった。 しかし、次の瞬間…… 「だから!! だから、まりさといっしょに、いつまでもゆっくりしていってね!!!」 …… ……… ………… れいむは唖然としてしまった。 もう十中八九、玉砕を覚悟していた。 それなのに、まりさはれいむの気持ちをしっかりと受け止めてくれた。 れいむは、ただただ感情を整理できず、言葉を詰まらせた。 「れいむ、どうしたの?」 何も話してこないれいむが気になったのだろう。言葉をはさんでくる そんなれいむの心情に気付かないのが、まりさらしいと言えばまりさらしい。 れいむは、とにかく何か話さなければ、言葉を掛けなければと、考えを纏め上げようとしたが…… 「ゆ……ゆゆ………ゆゆ……」 「ゆっ?」 「ゆ……ゆあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあぁぁ――――――――――――んんんんんん!!!!!!!」 「れ、れいむ!! どうしたの!!」 一気に感情が爆発してしまった。 爆発は涙となって、れいむの目から止めどなく溢れてくる。 嬉しかった。まりさが自分を選んでくれたのが。 嬉しかった。あの虐待された日々が、無駄ではなかったことが。 嬉しかった。れいむにはっきりと居場所が出来たことが。 れいむは、今までの自分の行動を振り返り、延々と泣き続けた。 「れいむ、なきすぎだよ!!」 「ゆぅ……ゆっくりごめんね、まりさ!! でも、れいむ、すごくうれしかったんだよ!!」 「まりさもうれしかったよ!! れいむがすきといってくれて!!」 「まりさ!!」 「れいむ!!」 ようやくれいむは泣きやんだ。泣きやむまで、実に10分もの時間を費やしてしまった。 れいむは水が飲みたかったことも忘れ、まりさとの話に興じ始める。 「れいむ!! いまはできないけど、けっこんしきはここをでられたらゆっくりしようね!!」 「ゆぅ!! そうしようね!!」 「それから、れいむはまりさのおうちにゆっくりくるといいよ!!」 「ゆゆっ!? いいの!!」 「あたりまえだよ!! れいむのおうちはまだできていないんでしょ? それに、れいむはまりさのおよめさんだもん!! いっしょにくらすのは、ゆっくりあたりまえだよ!!」 「ありがとう、まりさ!!」 「まりさのおうちはおっきいよ!! にんげんさんのおうちみたいにおっきいから、ゆっくりたのしみにまっててね!!」 「ゆっ!! ゆっくりたのしみだよ!! ゆっくりはやく、まりさのおうちにいきたいよ!!」 「あと、おちついたら、はねゆーんにもいこうね!!」 「ゆっくりたのしみにしてるよ!!」 人間のお家と同じくらい大きいとは、まりさも大げさに出たものだ。 まあ、所謂物の例えだろう。 しかし、れいむは「うそつかないでね!!」なんて、無粋なセリフを吐くつもりはない。 まりさは、れいむを喜ばせるために言っているのだろう。れいむだって、そのくらい分かるつもりだ。 こんな幸せなひと時を、自分から壊す必要はない。 自分の居場所が出来たばかりか、出会ったときからずっと好きであったまりさと、これからは永遠にゆっくりすることが出来るのだ。 れいむの頭の中は、まりさとの会話でいっぱい幸せいっぱいで、何にも考えられなかった。 しかし、次にまりさが言った言葉が、れいむに重要なことを思い出させた。 「ありす!! ありすも、まりさとれいむを、ゆっくりしゅくふくしてね!!」 「!!!」 そう、作戦が完璧なほどに決まったことで浮かれまくってしまい、すっかりありすのことを忘れていたのである。 れいむはなんと言葉をかければいいか分からなかった。 そもそも勝者であるれいむが、敗者であるありすにかける言葉なんて、どれも陳腐に聞こえるだろう。 裏切ったれいむの言葉なんて、都合のいい言葉としか感じないだろう。 事実、れいむの心の中は、ありすへの優越感で満たされている。 何とか考えずにいようとしても、すぐに思考の中に入り込んできてしまう。 とても甘美な麻薬のようなものだ。 れいむの口から出る言葉も、自然とありすを見下すものになってしまうだろう。 しかし、ありすへの背信行為をしておきながらも、ありすとは親友でいたい。嫌われたくない。 これもまたれいむの本音だった。 それは、勝者だからこそ持ち得ることが出来る、自分に甘く都合のいい考えである。 ありすのことを全く考えてない、自己中心的な思考である。 しかし、例えそれが分かっていようと、れいむはありすとの友情も諦めきれなかった。 それだけありすのことが好きだったのだ。 ありすは、まりさの言葉に、なかなか返事を返さない。 一体、どんな心中でいるのだろう。 自分を裏切り、まりさを手に入れたれいむに、仕返しでも考えているのだろうか? それとも、まりを諦めきれず、虎視眈々とまりさを奪う算段でも整えているのだろうか? 何とかありすに言葉を掛けなければならない。 親友でいてもらうためにも。 れいむが、なんて声をかければいいのだろうと、頭を悩ませていると、ようやく当の本人から反応が返ってきた。 「おめでとう!! れいむ!! まりさ!!」 その言葉に、特に棘があったようには聞こえなかった。 いつものやさしさに満ちたありすの声に聞こえたきがする。 心から祝福しているような気がする。 「ゆっ!! ありがとう、ありす!!」 まりさが祝福を受け、感謝の意を示す。 「けっこんしきには、ぜったいにありすをよんでね!!」 「あたりまえだよ!! ゆっくりかならず、ありすをよぶよ!!」 「ゆっくりれいむをたいせつにしてね!!」 「ゆっくりやくそくするよ!! れいむをいつまでもかわいがるよ!!」 その後、まりさとのやり取りを終えると、ありすはれいむにも声をかけてきた。 「れいむ、おめでとう!! まりさとゆっくりしてね!!」 「ゆっ……ありがとう、ありす……」 「けっこんしても、ありすとはしんゆうでいてね!!」 「ゆぅぅ……」 ありすはれいむを祝福してくれた。 そればかりか、れいむに対して、親友でいてくれとまで言ってくる。 れいむは自分でありすを裏切っておきながら、ありすの寛大な態度に居たたまれなくなった。 それと同時に不審に思った。 ありすは悔しくないのだろうか? 悲しくないのだろうか? れいむがありすの立場なら、決して自分を許さないだろう。 なのに、ありすは祝福してくる。れいむが最も望んでいた言葉をかけてくる。 腑に落ちなかった。自分に都合がよすぎる。 昔のれいむなら、その言葉に何ら疑問を抱かなかっただろう。 しかし、今のれいむは、物事を計算で見るようになってしまっている。 ありすの言い分は、そんなれいむを納得させるには、あまりにも納得の出来ない言葉だった。 折角想いに想っていたまりさと一緒になることが出来たのだ。 なのに、つまらないことで将来への希望を壊されるようなことは、絶対にあってはならない。 本当にありすは自分たちを祝福してくれているのか? 何か不穏当な考えを持っているのではないか? もしありすが何らかの手で自分を陥れようとしているのなら、何が何でも防がなくてはならない。 例え、今後ありすとの友情が壊れようと。 れいむは、ありすの真意を測ることにした。 一夜明けた翌日、今日はまりさが虐待される日である。 男はまりさを虐待部屋へと連れていった。 今がありすと話す絶好の機会である。 れいむは、ありすのいる壁際の方に行くと、真意を質すべく、核心をぶつけた。 「ありす、おきてる?」 「ええ、ゆっくりおきてるわ!!」 「ありす!! れいむ、ききたいことがあるよ!!」 「なにかしら?」 「きのうのことだよ!! ありすは、れいむにまりさがとられて、かなしくないの?」 「……」 「まりさがすきじゃなかったの?」 「……」 「れいむをうらんでいないの?」 「……」 「ねえ、どうなの、ありす!!」 れいむの問いに、ありすは中々反応を示さない。 れいむはゆっくりとありすが言葉を出すまで待ち続けた。 ようやくありすが口を開いて来たのは、一分後であった。 「……くやしいわよ!! かなしかったわよ!! ありすはまりさがすきだったんだもの!!」 ありすは、自分の隠していた感情のすべてをぶつけるかのように、大きな声で叫んできた。 これには、さすがのれいむも、少なからず動揺した。 ありすがこうまで生の感情を出してくるとは思わなかったのだ。 「それじゃあ、どうして……」 「……だって、しょうがないじゃない!! これはこいのかけひきなんだもの!!」 「ゆっ?」 「れいむは、じぶんのことをどうおもってるの? ありすのことをうらぎったとおもってる?」 「ゆぅぅ……それは……」 「さいしょはありすもそうおもったわ!! れいむにうらぎられたって!! でも、じっさいはそうじゃない!! まりさはだれのものでもないんだもの!! まりさにこくはくするのは、れいむのじゆう!! それをうけるのもまりさのじゆう!! そこのありすのはいるよちはないわ!!」 「……」 「ありすがまりさにさっさとこくはくしなかったのもいけなかったしね!! まりさのあいてが、れいむならなっとくだわ!! それに、まりさはれいむのことがすきだったみたいだから、こくはくしてもたぶんふられていたけどね!!」 「ありす……」 「だからありすはあきらめたの!! かこをふりむかないことも、とかいはのたしなみよ!! だから、れいむがきにすることはないわ!! これからもありすのしんゆうでいてね!!」 「……ありす!! ありがとう!! ありがとう!!」 「かんしゃすることなんてないわよ!! ここからでられたら、まりさいじょうにすてきなゆっくりをみつけてやるんだから!!」 「ありすならきっとみつけられるよ!!」 「ありがとう、れいむ!!」 れいむはここに来て以来、三回目の衝撃を受けた。 自分はなんて小さいのだろう。ありすと言葉を交わし、嫌というほど思い知らされた。 自分は決してそんな風に考えられない。 ありすの立場なら、絶対に嫉妬をせずにはいられない。 しかし、ありすはどこまでいってもありすだった。 優しく他人を思いやれるゆっくりだった。 本当に心の底から、れいむとまりさを祝福してくれていたのだ。 れいむは、ありすを疑ったことを悔いた。 そして、同時に感謝した。 こんな最高のゆっくりと知り合えたことを。 ありすと親友になれたことを。 「ありす!! れいむとありすはいつまでもしんゆうだよ!!」 「もちろんよ!!」 れいむは、今最高に幸せだった。 隣には愛するまりさと、親友のありす。 例え姿は見えなくても、スリスリ出来なくても、心が繋がっている。 それが感じられるだけで満足だった。 しかし、今日の幸せはそれだけに留まらなかった。 まりさが虐待を終えて帰ってきた。 それと同時に、壁越しに男からとんでもない一言が飛び出してくる。 「お前たち。今日でお前らの虐待は終了する」 「!!!」 突然の男の発言に、れいむは驚きのあまり、餡子を吐いてしまいそうになった。 何とか飲み込んで、事なきを得たが。 「ゆっ!!! ほ、ほんとうなの!?」 「ああ。飽きてきたしな。明日、部屋から出してやるよ!!」 「ゆうううぅぅぅぅぅぅぅ―――――――!!!!!」 れいむが雄たけびを上げる。 まさか、婚約した翌日に、この辛く苦しい虐待まで終わることになるとは!! 人間でいえば、盆と正月とクリスマスがいっぺんに来たようなものである。 「やったああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!!」 遂に、遂にここから出られるのだ。 まりさとありすに会えるのだ。 スリスリ出来るのだ!! 隣では、二匹とも感無量なのか、一言も言葉を発しなかった。 「それじゃあな」 そう言って、男の足跡は遠ざかっていく。 れいむは、すぐさま二匹に声をかける。 「まりさ、ありす!! でられるんだよ!! やっとここからでられるんだよ!!」 「ゆう!! ながかったよ!!」 「やっと、ここからでられるのね!!」 「まりさ!! あしたはいっぱいすりすりしようね!!」 「ゆっ!! そうだね。れいむ!!」 「あしたがたのしみね!!」 「ゆっくりたのしみだよ!!」 れいむの頭の中には、男が嘘を付いているという考えは一切ない。 別に昔の純粋なれいむに戻ったという訳ではなく、単に嬉しすぎて頭が回らないのだ。 もっとも、男はちゃんと出してやるつもりなので、考えたところで、れいむの杞憂に終わるのだが。 早く明日が来ないだろうか? れいむは浮かれて、なかなか寝付けなかった。 その7へ
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広いんだか狭いんだかわからない世界のとある神社。 そこには素敵な巫女さんと、巫女さんにそっくりのおまんじゅうが住んで居ました。 「れいむはおまんじゅうじゃないよ!おまんじゅうっぽいだけだよ!」 失礼、巫女さんにそっくりな『ゆっくりれいむ』と言うおまんじゅうが住んで居ました。 Σ「あんまかわってない!?」 神社にはお客さんがあまり来ませんが、巫女さんの友達はしょっちゅう遊びに来ます。 巫女さんは「友達とかそういうのじゃない」と言いますが、 れいむは巫女さんがツンデレなのを誰よりも理解していたので、影でニヤニヤ… 「だいたいツン8 デレ2くらいだよ、攻略するときはきをつけて ゆっくり選択肢をえらんでね!」ニヤニヤ れいむはその友達を「ゆっくりしていってね!」とお出迎えするのが楽しみでした。 友達は巫女さんがおでかけする度に増えていき、 それにしたがい、れいむも色んな人に「ゆっくりしていってね!」をして… いつの間にか、れいむは皆から『ゆっくり』と呼ばれるようになったのでした。 「安直きわまりない!」 そんな日が続いていき、 れいむは自分も誰かに「ゆっくりしていってね!」をしてもらいたいと思うようになりました。 「どうせならおなじゆっくりだとはずれがないね!」 しかし神社でお留守番をしていても… 巫女さんのおでかけについていっても… れいむが他のゆっくりに出会うことはありませんでした。 協力してくれた天狗さんからの話も『見つからない』がずっと続くばかり… 「ならしかたないね!」 ですが、いつも通りのほほんとした調子でれいむは縁側へ昼寝をしに向かいます。 ・ 別に同じゆっくりがいなくても困らない たまにご飯よりおうどんが食べたくなる事もあっても 夕飯がおもいっきりご飯なのもよくある事。 だから期待してた分、ちょっとガッカリするのも仕方ないね。 それでも食べるご飯はちゃんとおいしいし、毎日楽しい。おんなじ事だよ! 「なんくるないさー♪」 そう思いながら縁側につくもれいむは眠気がせず、ぼーっと庭中の落書きをみていました。 全部れいむが今まで書いた巫女さんや友達の似顔絵。 最初はそのつもりで描いていた落書き。 「ゆっくりしていってね!」 でも、れいむが自分への「ゆっくりしていってね!」を願うようになった頃から、 落書き達はれいむがいつか会えると想像していた仲間達の絵になっていました。 こんなに仲間がいたら、きっと「ゆっくりしていってね!」だけで日が暮れちゃうね! こんなに仲間がいたら、ご飯もいっぱいなくちゃだめだからみんなで宴会だね! こんなに仲間がいたら、きっと毎日ゆっくりゆっくりしてられないよ! でもこの世界にはほかのゆっくりなんていないよ―「ゆっくりした結果がこれだよ」 れいむはこの時、初めて思いました『ゆっくりしたくない』と ―――― 居間へ行くと巫女さんはすやすや眠っている。 起こさないように、音をたてないように れいむは巫女さんがお菓子をのせるお盆に乗ります。 『おまんじゅうに変身する術』 なんのためにつかうかわからなかったけど、きっとこのためだったんだとれいむは思いました。 (起きたらおいしいおまんじゅうがあるから、それでゆっくりしてね!) 「さあ、おたべなさい!」パカッ れいむがそう唱えると、その場所には二つのおまんじゅうだけが ちょこん、と残っているのでした… ■■■■■■■■ 「…ゆ?」 …しかし、れいむはまだれいむでした。 おまんじゅうになったはずなのに…。れいむが不思議に思っていると、 隣のおまんじゅうが突然もぞもぞと動きはじめました。 「ゆゆ??」 やがておまんじゅうはぷくぷく膨らみ、れいむと同じ大きさにまでなって、 最後にてっぺんが『ぽんっ!』と弾け、おまんじゅうがまっ黒帽子をかぶりました。 「ゆっ!」 「ゆゆゆ?!」 振り替えったまっ黒帽子の姿は、れいむが書いた『だぜ』の絵そっくり。 『れいむはおまんじゅうになったのに、れいむはれいむで、 なのにれいむのはんぶんがだぜで、でもこのだぜはれいむの絵だったけど、いまのだぜは…』 れいむにはとにかくわけがわかりません。 でも一つわかる事があります『待ちに待った仲間ができた!』する事は一つ。 「ゆっくりして…」 「さあおたべなさい!」パカッ 「ええええ!!」 せっかく出会えた仲間は光の速さでおまんじゅうになってしまい、 れいむは予測外のショックをうけました。 しかし、しばらくすると… 「たべないと…」「「ふえちゃうぞ!!」」 今度は『だぜ』のほかに『お人形のおねーさん』も増えました。 今度こそ… 「ゆっくりしていっ「「さあおたべなさい!!」」パカッ 「またぁ!?」 そしてまた今度も 「「たべないと…」」「「「「ふえちゃうぞ!!」」」」 天狗さん、お花のおねーさん、おぜうさま、メイドさん… 増えても増えても「おたべなさい!」は続き、そのたびに新しいゆっくりが生まれて… ゆっくり達の声は妙に楽しげなリズムにのって、れいむもそれに自然と続きました… さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ! さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ! さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ! さあおたべなさい!たべないと…ふえちゃうぞ!・・・・ ――――――― 狭いんだか広いんだかわからない世界、 そこには様々な住人と、住人達にそっくりなおまんじゅう達が居りました。 「おまんじゅうじゃないよ!れいむたちはおまんじゅうっぽいだけだよ」 失礼、ゆっくりというおまんじゅうっぽい住人達がたくさん居りました。 「うー、いぇす!」 相変わらず巫女さんの神社にはお客さんがこないので、今日もれいむは遊びにでかけます。 れいむにもたくさんの友達ができました。 本人は「ひとづきあいってめどいよ!」とか言ってますが、 巫女さんは自分の事もあってか苦笑しながら「はいはい…」と流すのが定番でした。 れいむはその友達をお出迎えしたり、こうして遊びにいってお出迎えされたりするのが楽しみでした。 「ゆっくりしね♪」「ゆっくりなのかー」「はるですよー!」 たまに思ってたのとだいぶ違うのもいるけど… 「ゆっ、ゆっ」 思ったより大した感動もなかったけど… 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ!ゆっくりしていってね!」 れいむは毎日にちょびっとの達成感をてにいれたのでした。 ゆっくり、ゆっくり… おまけ ・ ・ ・ 「こあ、ぱちゅりーさま?これ、ほんとのおはなしなんですか?」「こぁ?」 「むきゅ、どうかしら?ただのお伽噺なのか…ほんとうの事なのか…」 「ぱちゅりーさまでもわからないんですか?」「ですかー?」 「わたしがいた頃はもうたくさんゆっくりがいたもの…わたしの中の事実はそれだけよ」 「ほんとはじぶんのなかにこそある、ですか」「かー?」 「そういうものね。さ、これを棚にもどしてきて」 「こあ!」「ぁぃぁぃこぁー!」 おしまい。 by.とりあえずパフェ あとがき じつは自分のなかでここ最近秋のおたべなさいSP、みたいなくくりで書いたりしてました。 不思議な籠はゆっくり達が自分を「おたべなさい」 らんの焼き芋はゆっくり達が食べる「おたべなさい」 そして今回が「おたべなさい」→「ふえちゃうぞ!」のコンボでお送りしました では、今度こそ失礼します… この短編、地味に名作だと思う。 -- 名無しさん (2009-12-10 14 06 10) かわいいストーリーですね^^ -- kanndou (2011-07-28 12 11 39) 名前 コメント
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暴言タイプワード一覧 足りない単語は、コメント欄で教えていただけると嬉しいです 以降汚い言葉が続きますがご了承ください NGワードについては(NG)の表記を入れています。 あ行 あなる、あこぎ、あほ、あく、あくとう、あま いしあたま、いぎょう 社会、いちいち、いんわい、いんじゃ、いんぎんぶれい 感情、いなかもの、いくじなし、いやみ、いのちしらず、いんぽ、いやがらせ 暴力、いらまちお、いんきゃ、いらな、いらない、いんぴ、いいあらそい 社会、いらち、いっぱつや、いいだしっぺ、いれぢえ、いいがかり、いきすぎ、いなかっぺ、いんしつ、いまらちお うまのほね、うりことば、うりことばにかいことば、うんどうおんち、うんこ、うんち、うせろ、うっす、うざい 感情、うじ 虫、うじむし 虫、うよ 社会、うらぎりもの、うすのろ、うれのこり、うまづら、うちべんけい、うわっつら、うすげ、うしろゆび、うるさい 感情、うわきもの、うぐ、うちわねた、うわづみ えろ 暴力、えごいずむ 感情、えこひいき おな、おなにー、おぶつ、おたく、おおぐち、おまえ、おもなが、おーるど か行 かんとんほうけい 人体、かまちょ、かす、かんぷ、かえるのこはかえる、かれいしゅう きじょうい、きらきらねーむ、きやすめ、きれいごと、きぶんや、きちく、きざ、きんたま、きえろ、きもい、きたくぶ、きらわれもの、きちがい(NG)、きかんぼう、きにゅう くそ、くそみそてくにっく 暴力、くそくらえ、くそったれ、くんに、くたばれ、くうり、くるくるぱー、くちさき、くいしんぼう、くず、くちべらし、くそげー、くちゃらー、くずやろう けなし、けんかごし、けしずみ、けだもの 動物 こしゃく 感情、こび、こざいく、ころす(NG) さ行 さいてい 感情、さいあく 感情、さいこぱす しね、しぬ、しな、しんけいしつ 感情、しりめつれつ、しっかく、しばく 暴力、しわ 人体、しっこ、しんで、しりがる すまた 人体、すらむ、すっとんきょう、すけべ、すてごま、すっとこどっこい、すきっぱ せくろす、せくはら 社会 そまつ、そあく た行 たんき、たいそう、たられば、たんそく、たんさいぼう ちび、ちーぎゅう、ちつ 人体、ちみもうりょう、ちんぷ、ちせつ、ちじょ、ちんかす 人体、ちんげ 人体、ちくしょう 動物、ちんこ 暴力、ちしょう、ちろう、ちんき つくりもの、つまんね、つくりばなし、つみつくり、つちぐも てこき、てき とんま、とりあたま な行 なきごと、なかだし 暴力、なまごみ、なきむし、なまいき、なんじゃく、なまけもの 動物 にんげんせい、にわか、にせもの、にもつ ぬすっと、ぬるい ねくら、ねらー、ねこぜ 人体 のんべえ、のうなし、のうてんき、のっぽ 人物、のろ、のろま は行 はげ 人体、はんぱ、はなくそ 人体、はめ 暴力 ひす、ひすてりー、ひゃくがい、ひきょう 感情、ひかげ、ひも ふーる、ふけつ、ふもう、ふりょう へんなやつ 人物、へんたい、へりくつ ほらふき、ほら、ほうけい ま行 まぬけ、まけいぬ、まんぽ、まねごと、ましょう、まがいもの、ませ、ませがき、まざーこんぷれっくす、まぞ、まとはずれ、まだお、まどぎわ、ますかき、まんこ(NG)、まかり みっかぼうず、みずしょうばい 社会、みじゅく、みしょう、みごろし、みみくそ むぼう、むだ、むっつりすけべ、むえき、むさい、むめい、むりげー、むしょく 社会、むのう めくそ、めざとい、めめしい、めんくい、めざわり、めくら(NG) もんきー 動物、もう、もぐり、もらはら や行 やぼ、やくび 時間、やくちゅう、やすもの、やから、やろう、やぶいしゃ 医療、やらせ、やじ 社会、やにかす、やくたたず ゆめものがたり、ゆうがい、ゆあか、ゆうめいぜい よわい、よわき、よわむし、よすてびと、よごれ、よまいごと ら行 らしくない、らんぱつ、らんぼうもの 人物 りょな、りんしょく るーぴー、るーざー れいしすと、れっか、れいけつ、れいさい ろくでなし、ろんぱり、ろうかい、ろうがい 人物、ろりーたこんぷれっくす、ろまんちすと、ろーとる、ろうぜき、ろてい わ行 わきが 人体、わる、わるもの 人物、わるさ、わがまま、わざわい、わすぷ 機械、わすれんぼう、わいざつ、わるぢえ が行 がんこ、がき、がいじ、がんくび ぎぜんしゃ ぐしゃ、ぐのこっちょう、ぐぐれかす、ぐず、ぐさく、ぐれんたい 人物、ぐこう げろ 暴力、げせわ、げどう、げす、げば、げばひょう 社会、げてもの 食べ物 ごみむし 虫、ごみ、ごうご、ごたく、ごろ、ごろつき ざ行 ざこ、ざつ じいしきかじょう、じこちゅうしんてき、じしんかじょう、じじい、じゃま 感情、じじー、じゅくじょ、じこちゅう、じぼうじき 感情、じゃあく、じゃくしゃ ずぶ、ずうずうしい、ずぼら、ずるがしこい、ずたぼろ、ずら 服飾、ずんぐり ぜいたく、ぜいにく ぞうきんがけ、ぞんざい だ行 だら、ださく、だいこんやくしゃ、だめだし、だっちわいふ、だすと でぶ、でっぱ 人体、でくのぼう、でまかせ どぶ、どうるい、どんぶりかんじょう、どかた 人物(NG)、どがいし、どんくさい、どーぷ、どれい 人物、どっちつかず ば行 ばか、ばかやろう、ばーか、ばばあ、ばとう、ばせい、ばちがい、ばじとうふう、ばけもの、ばばぁ びっち、びんぼう、びり、びじれいく、びっこ(NG)、びんぼうがみ 宗教、びょうき ぶさいく、ぶす、ぶんけい、ぶろう、ぶざま、ぶかっこう、ぶれいもの、ぶきよう、ぶーいんぐ、ぶりっこ、ぶっきらぼう、ぶらく(NG) べんとうもち 人物 ぼけ、ぼんくら、ぼろ、ぼぼ 人体、ぼろくそ ぱ行 ぱー、ぱぱらっち、ぱあ、ぱくり、ぱいぱい ぷー、ぷーたろう、ぷあ、ぷりけつ 人体、ぷっしー、ぷりまどんな、ぷぎゃー ぺー、ぺーぺー、ぺにす 人体 ぽえむ 芸術、ぽんこつ 機械 編著:ぴょん このページの最終更新日時は2023年08月06日 (日) 19時34分54秒です コメント 名前 しりがる が抜けていました - かりうむ (2023-08-05 15 21 49) なまけもの 動物が抜けています - はるよし (2023-08-04 23 10 18) 追加しました - ゟ (2023-08-05 00 24 06) いまらちお が抜けていました - かりうむ (2023-06-26 18 05 33) 追加しました - ゟ (2023-06-26 18 08 47) 修正を反映しました。 - ゟ (2023-03-08 19 55 42) いきすぎ、いなかっぺ、いんしつ、うぐ、うちわねた、うわづみ、はなくそ 人体、はめ 暴力、ひも、やくたたず、よまいごと、ばけもの、ばばぁ、びょうき 要削除:うすのろ(2個ある)、じじい(2個ある)、ぶー(ノーマル単体) 訂正:びれいじく→びじれいく 追記・修正は行なっておりません - かりうむ (2023-03-08 19 10 43) 暴言タイプはこれで過不足がなくなったと思われます - かりうむ (2023-03-08 19 12 25) いきすぎ、うわきもの、きかんぼう、きにゅう、くずやろう、しっこ、しんで、すきっぱ、のろ、のろま、まかり、むのう、ろうぜき、ろてい、ころす(NG) 訂正:かんぶ→かんぷ、どかた 人物→どかた 人物(NG) 追記・修正は行なっておりません - かりうむ (2023-03-03 23 18 27) むしょく 社会、ゆうめいぜい、ろーとる、ぐこう、だすと、ばじとうふう、わいざつ、わるぢえ 暴言タイプでない:わいせつ 暴力単体、ださい 感情単体 複合が未記載:わるもの 人物 追記・修正は行なっておりません - かりうむ (2023-02-27 22 28 10) しばくの複合は暴力だよね - 名無しさん (2023-01-30 10 49 23) いいがかり、おおぐち、おまえ、おもなが、おーるど、すっとこどっこい、たんさいぼう、ちしょう、ちろう、ちんき、なきむし、なまいき、なんじゃく、ますかき、ずたぼろ、ずら 服飾、ずんぐり、ぶっきらぼう、ぼろくそ - かりうむ (2023-01-14 16 21 46) なまごみ - 名無しさん (2023-01-06 11 50 57) 追加しました - かりうむ (2023-01-14 16 25 04)
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こなたとモヤモヤ なんだろ?なんかモヤモヤする。 ベッドに寝そべり、寝ようと思ったけど眠れない。 まぁ、本当は原因なんてとっくに分かってるんだけどね。 まったく、なんでこう最近はかがみの事ばっかり頭に浮かんでくるのか…。 おかしいなぁ、私にはそういう趣味は無かった筈なんだけどな~…。 いっそかがみに告白してみる?いや、やっぱ駄目駄目。断られるに決まってるじゃん?なにを考えてるんだい私よ。 「まいったなぁ…明日起きられるのかなコレ?」 時間はもう深夜。 そういえば、なんかアニメは…あ~ハイハイやってませんね分かってましたよ。 「あ~…まぁ、アレだよ。このままでいいでしょ?」 そう、私が何もしなければ誰も傷付かない。私も、かがみも。 いやいや、そんなん嘘っぱちでしょ?ただ単に、拒まれたくないだけじゃないの?ただ…私が傷つきたくないだけでしょ? うん、否定出来ないネ。そこは素直に認めとくけど、それなら私はどうすれば良いと? このままでいれば、ゆる~い空気の中でずっと馬鹿やってられるし…ホラ、やっぱり変える必要も、変わる必要もない! 今までがそうだったし、これからだって今まで通り出来るよ。 ハァ…やっぱ今のまま…か。それはそれで苦しいけど…でもいっかな? ―――翌日 「お~すこなた。あんたがこんな早く起きてるなんて、なんか意外ね?」 「んぁ?なんだかがみんか。つかさは?」 「つかさは今日休み…ってなんだ?私じゃ不満か?」 犬歯を出して、頬を引き吊らせるかがみ様。 「おぉ恐っ!かがみ狂暴~♪」 「朝っぱらから大声で変な事叫ぶな!」 ……やっぱり、コレで良い。 いつも通り、こんなやり取りをやってれば…。…って、かがみ。なに驚いてんの? あれ?ていうか視界が… 「こ、こなた?アンタどうしたの?」 はい?それ、私が訊きたいんだけど。 本当に私はどうしてしまったんだろうか? 「あ…いや、私は別に本気で怒ってる訳じゃないのよ?ただ、いつものノリっていうか…ねぇ?」 かがみが慌てながら必死に取り繕ってくれてるけど、私の視界は歪んだまま。 あぁ、私、泣いてるんだ。 何で?何でだろ?あ、そっか…どうしようもないくらい、好きになっちゃってたんだね…かがみの事が。 「ちょっと…目にゴミ入っただけだよ」 私の嘘吐き…。 続く? コメントフォーム 名前 コメント 続かせるんだー!! -- 名無しさん (2023-06-02 11 21 06) 続けー!! -- 名無しさん (2010-07-29 12 19 02) 続きをー モ ヤ モ ヤ -- 名無しさん (2009-01-04 03 48 00) おいおい、『続く?』じゃなくて『続け!!』です。 作者殿、お願いします。 -- kk (2009-01-03 18 37 16)